チェックリストで自己診断!あなたはどっちの夜勤があっている?~二交代制・三交代制~

チェックリストで自己診断!あなたはどっちの夜勤があっている?~二交代制・三交代制~チェックリストで自己診断!あなたはどっちの夜勤があっている?~二交代制・三交代制~

チェックリストで自己診断!あなたはどっちの夜勤があっている?~二交代制・三交代制~

病棟で働く看護師は、多くの場合、三交代制(日勤・準夜勤・深夜勤)、もしくは二交代制(日勤・夜勤)で勤務することになります。

夜勤が辛いと感じる原因はさまざまですが、まず思いつくのが夜間に睡眠をとり昼間に活動するという体内時計に逆らって働かなければならないといった身体的・精神的負担でしょう。

交代制で働く時間帯が日によって異なる場合、夜勤から日勤、日勤から夜勤へと切り替えるときに時差ボケのような現象も起こりやすいので体への負担はさらに増大します。

このような負担が長く続くと、病気になるリスクも高まります。交代制勤務を行う労働者は日勤のみの労働者と比べると脳卒中のリスクが2倍以上になるといわれていますし、IARC(国際がん研究機関)は交代制勤務が発がんリスクを高める要因の1つとして考えているという事実もあります。また、体内時計の乱れによってうつ病などを発症する恐れも増大すると考えられています。(参照:HEALTH PRESS シフトワーカー(交代勤務者)は短命!? 不規則な勤務時間がもたらす健康への影響

このように、交代制の勤務体制は身体的・精神的な負担が大きいといわれていますが、看護師として働く上で、夜勤はなかなか避けることができません。少しでも負担を軽くするには、より自分にあった勤務体制を選ぶことが重要です。

では、どのようにして自分に適した勤務体制を選べばよいのでしょうか。
この記事では、どちらの勤務体制が自分にあっているのか、簡単なチェックリストで自己診断できるようにしました。

看護師として、スキルアップ・キャリアアップをしていくために健康を維持することはとても大事なことだと考えています。そのために、どんな勤務体制が自分にあっているか確かめていただければ幸いです。

1 二交代制と三交代制の違い

夜勤には、時間の区切り方で大きくわけて2交代制と3交代制の2つがあります。主な違いを以下の表にまとめました。

三交代制 二交代制
シフト数 3つ 2つ
拘束時間 8時間 12時間~16時間
夜勤回数(月) 7.6回 4.1回

1-1 シフト数と拘束時間の違い

三交代制は、1日を「日勤・準夜勤・深夜勤」という3つの区分に分けてシフトを組む勤務形態を指します。一般的な勤務時間帯の例としては、日勤が8:00~16:45、準夜勤が16:00~24:45、深夜勤が24:00~8:45のように時間の割り振りをしている病院が多いでしょう。それぞれの勤務時間帯で途中に45分ほどの休憩を取りながら、実働が8時間となるようにしています。

他方、二交代制は日勤と夜勤という2つの区分に分けてシフトを組む勤務形態を指します。一般的な勤務時間帯の例は以下のように大きく2つあります。
①日勤が8:00~20:30、夜勤が20:00~8:30のように12時間ずつで交代する場合
②日勤は8:00~17:00、夜勤は16:00~9:00のように日勤を8時間、夜勤を16時間とする場合

1-2 夜勤回数の違い

三交代制のシフトにおける月当たり平均夜勤日数は、2018年は7.62日とされています。
他方、二交代制のシフトにおける月当たり平均夜勤日数は、2018年は4.12日とされています。

二交代制と異なり三交代制の夜勤の回数は年々微減しており、2000年代以降は7.6日前後で推移しています。
三交代制 平均夜勤回数2交代制 平均夜勤回数
※出典:日本医療労働組合連合会 2018年度夜勤実態調査

2 三交代制と二交代制のどちらがあっているかをチェックリストで確認

それでは三交代制と二交代制のどちらがあっているか診断していきましょう。A、Bそれぞれの項目のうち、あてはまるものにチェックしてください。

【A】
□夜勤の回数が多くなってもよいので、夜勤1回あたりの勤務時間を短くしたい
□精神的な負担を少なくしたい
□長時間病院に拘束されることが何より辛い
□救急や急性期など忙しい病棟での勤務を希望している

【B】
□休みの日には人と会う時間や趣味の時間を十分確保したい
□睡眠時間をしっかりとりたい
□夜勤手当で収入を増やしたい
□生活リズムが不規則だと体調を崩しやすい

Aに多くチェックが入った人は三交代制、Bに多くチェックが入った人は二交代制のほうが適していると考えられます。
A、Bのチェックの数が同数だった場合、自身が優先する項目があった方を検討してみましょう。

3 チェックリストの各項目について解説

先ほどのチェックリストは、三交代制と二交代制のそれぞれの特徴をふまえて作成されています。各項目について少し掘り下げて見てみましょう。

3-1 夜勤の回数が多く、1回当たりの勤務時間が短いのが三交代制

三交代制は「日勤」「準夜勤」「深夜勤」の3つのシフトがあり、二交代制よりも夜勤をする回数が多くなってしまいがちです。

しかし、二交代制の場合は少なくとも12時間、多くの職場では16時間という長時間の夜勤をこなさなければなりません。
一方、三交代制の場合、1回の実働時間はどのシフトでも8時間ほどです。
回数が多くなってもよいので1回の夜勤の時間を短くしたいという人は、二交代制よりも三交代制のほうがあっていると言えるでしょう。

3-2 精神的な負担を少なくしたいのは三交代制

病棟看護師の場合、トイレ介助や点滴などといった患者さんの対応、病棟の巡視などが夜間勤務中の主な仕事となります。

しかし、緊急入院する患者さんがいればその対応も行いますし、患者さんが自分で点滴を抜いてしまったなどといったトラブルの解決にもあたらなければなりません。

このような仕事を日勤よりも少ない数の看護師でこなさなければならないため、当然1人当たりの負担は大きくなります。

三交代制は二交代制よりも1回の夜勤時間が短いので、1回の勤務における精神的負担は少なくて済むと考えられます。
拘束時間が短いため、救急搬送や患者さんの急変が多く忙しい職場でも働きやすく、精神的な負担も少なくて済みます。

実際に二交代制から三交代制に変更したところ、2か月で精神的な健康状態がよくなったという調査報告もあります。
(参考文献:
国立国際医療研究センター病院 二交替制勤務看護師の疲労度,満足度に関する文献検討 -三交替制勤務との比較-

心の疲れはどの職業・勤務体制でも起こりえますが、少しでも精神的な負担を軽くしたいという人には二交代制よりも三交代制のほうがおすすめです。

3-3 長時間病院に拘束されることが何より辛い人は三交代制

夜勤の拘束時間は、三交代制で8時間、二交代制では16時間にもなります。

一般的な8時間労働でも、1日の3分の1は自分の時間を拘束されることになります。
また、8時間労働でも勤務が終わるころには勤務開始時と比べて集中力が下がってしまいがちです。
看護師の場合、集中力の低下は医療ミスを誘発する原因となる恐れがあるので注意が必要です。

実際に、看護研究者であるジル・クレンドン博士とヴェロニク・ギボン博士は、2016年に「12時間以上の勤務ではミスが起こる確率が高い」とする研究結果を発表しています。また、ミスが起こる可能性は12時間未満の勤務と比べて2~3倍になるともいわれています。
(参照:
 International journal of nursing studies:12h shifts and rates of error among nurses

二交代制の場合は12時間~16時間という長時間の勤務をこなさなければならないため、ミスを起こすリスクも高くなります。

一方、三交代制の場合は1回の勤務における実働時間は8時間程度ですので、二交代制と比べると集中力を維持しやすく、ミスを起こすリスクを低くすることができます。
「16時間も集中力を維持できない」という人は、三交代制での勤務を検討することをおすすめします。

3-4 救急や急性期の病棟を希望する人は、三交代制の方が体力的負担が少ない

救急病棟や病院自体が急性期病院、二次、三次救急を受けている病院というのは非常に忙しく、まさしく救命の現場です。
次々運ばれてくる患者さん、どんどん出される医師からの指示、患者さんや家族からの訴えなど、落ち着く暇がありません。

また、ちょっとしたミスが命に直結する、常に緊張した現場でもあります。このような緊張状態が長く続けば疲労していくのが当たり前で、判断ミスやヒヤリハット、インシデントに繋がる可能性もあります。

日本看護協会が推奨している夜勤時間は12時間、12時間を超えても13時間以内の勤務とすることを推奨していますが、実際の医療現場の勤務時間はそんなものではありません。二交代制の夜勤では、拘束時間が16時間以上の割合が87.7%もあるのです。
夜勤の拘束時間
※出典:日本看護協会 看護師の夜勤・交代制勤務に関するデータ

救急などで二交代制、三交代制の経験がある看護師によると、「救急はとにかく忙しく、動き回っている時間が長いので、肉体的疲労が強く、二交代制のように長時間勤務では体力が続かない」という意見がありました。

こんなに長い拘束時間で、しかも緊張状態が続けば看護師の疲労は計り知れません。救急や急性期の病棟を希望する人は、勤務時間の短い三交代の方がいいと言えます。

3-5 休みの日は人と会う時間や趣味の時間を充実させたいなら二交代制

夜勤のある勤務体制で働いていると、日勤のみの仕事をしている人と予定があわないということも少なくありません。三交代制でも二交代制でも、日勤のみの仕事と比べると友人と会ったり家族と過ごしたりする時間が確保しにくいものです。

三交代と二交代を比較すると、三交代の場合だと短い時間で頻回に出勤することになりますが、二交代の場合は、1回の勤務時間が長い分出勤回数は減ります。
つまり、休日の回数が増えるので、二交代の方が連休も取りやすいということになります。
連休が欲しい人には二交代制がいいと言えます。

友人や家族と過ごす時間や趣味の時間をしっかりとりたいという人には、三交代制よりも二交代制のほうがおすすめです。

3-6 睡眠時間をしっかりとりたいなら二交代制

二交代制では三交代制に比べて仮眠時間を多く取れます。

三交代制は1回あたりの勤務時間が短いというメリットがある一方で、シフトが3つあるため夜勤の回数や出勤回数が二交代制よりも多くなりがちです。
夜勤の回数が多くなると、人間が本来眠るべき時間に起きていることが多くなりますし、出勤回数が増えると通勤にかかる時間も多くなるため、十分な睡眠をとることができない恐れがあります。

三交代の場合、日勤をして仮眠して深夜勤、準夜勤をして翌日日勤という1勤務分だけ空けて勤務ずる場合などは当然その空いた時間に仮眠をとることになりますが、勤務が定時に終わらないことも多く、勤務の開始時も少し早く行って情報収集などを行いますよね。そうなると、どんどん仮眠時間は短くなっていきます。

一方、二交代制の場合は夜勤の回数が三交代制よりも少なく、休みも長く設定しやすいため、まとまった睡眠時間をしっかり確保することができます。
また、三交代制の夜勤では基本的に仮眠時間は設定されていませんが、二交代制の夜勤ではトラブルがなければ2時間程度の仮眠をとることができます。

睡眠時間を十分にとりたいという人は二交代制を考えてみましょう。

3-7 夜勤手当で収入を増やしたい

毎月の夜勤手当の額は二交代制の方が多くなる傾向があります。

看護師の場合、夜勤手当などの各種手当が収入の10%以上を占めています。
特に夜勤手当の占める割合は大きいので、収入を手早く増やしたいという人は夜勤手当という観点からも勤務体制を考えてみるとよいでしょう。

日本看護協会によると、看護師の1回あたりの勤務における夜勤手当の平均額は次のようになっています。
平均夜勤手当 推移
※出典:日本訪問看護協会 2017年病院看護実態調査

2015年~2017年の3か年平均をそれぞれ計算すると以下のようになります。

・三交代制の準夜勤:4,069円
・三交代制の深夜勤:5,014円
・二交代制の夜勤:10,827円

また、第1章で紹介した三交代制の場合の夜勤(準夜勤と深夜勤)の回数を2015年~2017年の3か年平均で計算すると、平均7.64回/月です。
なお、準夜勤と新夜勤の割合はおよそ半分という調査結果が看護職員実態調査からわかっています。(参照:日本看護協会:2013年 看護職員実態調査

これらの数値から三交代制での夜勤手当としてもらえる平均額は次のようになります。

(4,069円+5,014円)÷2×7.64回=34,697円

一方、二交代制の場合の夜勤回数を2015年~2017年の3か年平均で計算すると、平均4.05回/月です。
したがって、1か月間でもらえる夜勤手当の平均額は次のようになります。

10,827円×4.05回=43,849円

以上のことから、1か月間で支給される夜勤手当は二交代制の方が9,000円ほど多いことがわかります。
年間で考えると10万円ほど多くなりますね。夜勤手当で少しでも収入を増やしたいという人は、二交代制での勤務を検討してみましょう。

3-8 三交代制の方が生活リズムが不規則で体調を崩しやすい

生活リズムが副速だと体調を崩しやすい方はシフトが2つしかない二交代制が適しています。

三交代制でも二交代制でも、勤務する時間帯が毎日異なるため、生活リズムが不規則になりがちです。
日勤時の生活リズムをメインに考えながら、夜勤明けの休みをしっかりとることで疲労を少なくすることは可能ですが、体内時計の乱れを根本的に解決することは難しいでしょう。
体内時計とあわない勤務を続けると、睡眠障害を引き起こし、さまざまな体調不良の原因となってしまいます。(参照:厚生労働省:健康づくりのための睡眠指針検討会報告書

特に三交代制の場合はシフトが3つあるため、シフトが2つしかない二交代制よりも体内時計が乱れやすくなります。不規則な生活リズムを続けると体調を崩しやすいという人は、三交代制よりも二交代制のほうが適している可能性が高いでしょう。

4 まとめ

二交代制も三交代制も夜勤があるため生活リズムが乱れやすく、体調を崩してしまう人も少なくありません。少しでもそのリスクを低くするためには、自分にあった勤務体制を選ぶことが大切です。今回ご紹介したチェックリストを参考にして、二交代制と三交代制のどちらが自分にあっているか判断し、看護師として無理のない働き方を目指しましょう!