アナムネとは入院する患者さんの情報を収集すること

アナムネアナムネ

アナムネとは入院する患者さんの情報を収集すること

アナムネとは入院時に行う、看護師として重要な業務の一つであり、本人やご家族から現在の病気の経過や状況を聴取します。項目としては、病歴だけでなく家族構成、緊急連絡先、嗜好品やADL、自立度など幅広い患者情報になります。

看護師内での情報共有のため、アナムネは記録として必ず残さないといけません。アナムネ用紙は病院によって異なりますが、入院時にすぐに行われ、必要な指標になります。そのため、看護師が入院時の状況を知るのに必要な書類ですが、多くの病院では教わる機会が少ないです。クオリティが大事であるアナムネにおいて、実を言うと抑えるべきポイントはたった3つになります。

・カルテなどから事前準備を行う

・患者さんやご家族に話せるように問いかける

・用紙に沿ってとにかく埋める

上記を意識することで、アナムネ聴取力が上がると共に、患者さんとの関係性が構築できます。なぜならじっくり話ができるからです。多くの看護師が確認する、アナムネ用紙では不備がないように実施したく、どうしても時間がかかってしまいます。但し、教わる機会が少ないため、今回悩んだ際に抑えるべき項目含めてまとめましたので、日々の業務に役立てて頂ければ嬉しく思います。

1 アナムネとは幅広い患者情報の収集

アナムネとはドイツ語の「Anamnese」の略称となり、訳としては病歴になります。入院患者さんに対して看護師がまず第一に行うのがアナムネになります。病歴だけでなく家族構成、緊急連絡先、嗜好品やADL、自立度など幅広い患者情報を聴取することを含んでいます。

アナムネ用紙は、既往歴・現病歴のほかに先ほどの家族構成などを含んだ患者情報を集約したものです。入院時に、患者さんの病気の部分だけでなく、周囲の生活環境などの情報を聴取することで、関わる医療従事者が情報を共有し、その後の治療に役立てるために重要になります。

アナムネの対象者は患者さんだけでなく、ご家族も対象になります。外来で行うのは、病気の概要だけになるため「問診」になり、入院時に深く聴取することが「アナムネ」になるため、「幅広い患者情報の収集」が必要になります。入院時に必要な情報を過不足なく集めることが大事になります。

2 看護師がアナムネをとる際に抑えるべき3つのポイント

アナムネは病院によって用紙が異なり、学生時代に学ぶ機会がありません。また上司から教わらないまま、用紙に沿って行うため、悩んでしまったり、やり方に不安を覚える看護師が多くいます。実はアナムネを記載する上で抑えるべきポイントはたった3つになります。

・カルテなどから事前準備を行う

・患者さんやご家族に話せるように問いかける

・用紙に沿ってとにかく埋める

これさえ守れば、今までアナムネ聴取に悩んだものが嘘のようになくなります。実際、病院看護、訪問看護を15年以上実践している著者もこれを意識しただけで悩みがなくなりました。

2-1 【ポイント①】カルテなどから事前準備を行う

多くの看護師が見落としていますが、アナムネ聴取は事前準備が必要です。多くの入院患者さんには事前情報があります。外来を通した入院であれば、外来で聴取した情報や外来カルテ、救急搬送であれば救急隊の記録の情報があります。これらに目を通すことで、患者さんのイメージ像が膨らみます。またこれらの情報から事前にアナムネ用紙の記載が可能になります。どうしても書くことに注力してしまって、目を見て話せないことが多くなりがちですが、事前に埋めることができれば効率よく記載できるようになります。

2-2 【ポイント②】患者さんや家族に話せるように問いかける

アナムネはプライベートなことを聞くことが多かったり、ご家族の同席がなされることが多いため必ず目的を伝え、同意を得た上で聞きとりを開始します。その上で、今回の入院に至った経緯を確認しながら、話を広げていくことが重要です。イメージとしては、アナムネ用紙を埋めるのではなく、「○○さん」という人物像を埋めていくと考えることが大事です。特に大事なのが患者さんやご家族に話してもらうことです。そうすることで、質問攻めにされている感覚が薄れ、話を聞いてもらったという思いが生まれます。ただし、話を聴くことを意識することで、記載を忘れることが多いので、しっかりアナムネ様式の項目に沿って聴くことがポイントになります。

2-3 【ポイント③】用紙に沿ってとにかく埋める

アナムネ用紙は病院によって異なりますが、とにかく用紙を埋めることが重要です。なぜなら、入院前のADLや入院当初のADLの記載がないと、病状の悪化の発見が遅れる可能性があります。家族構成は、昨今とても複雑化しています。離婚調停中、内縁関係、絶縁など、聞きづらいことも多々ありますが、最初に確認していないと入院後トラブルになることもあるので、できるだけ詳しく聞く必要があります。アレルギーの有無、ペースメーカーの有無、義歯の有無なども医療行為をする上で重要な項目なので、確認しましょう。

但し、1回で網羅できない場合はしっかり引継ぎをして自分一人で抱え込まないのも大事なポイントの一つになるかもしれません。

3 悩んだときに役立つアナムネの考え方10項目

アナムネ用紙は病院によって異なりますが、必要項目はいくつか限られています。アナムネの目的は「患者さんやご家族との関係を築くこと」と「入院時の状態把握と緊急時の備え」になります。アナムネで時間を多く取られてしまう看護師の特徴はポイントを抑えていないことです。

既往歴

外来カルテなどで情報収集し、その上で本人に確認する。事前に記載できればスムーズに行えます。

緊急連絡先

連絡が取れない場合の担保として、可能な限り2人抑えるようにする。独居であればケースワーカーやケアマネジャーなどの連絡先を記載する。

家族構成

ここ細かく記載しようとしてしまいますが、重要なのが「緊急連絡先」になるので、ここはわかる範囲に留めましょう。

ADL

入院時のADLということを意識して、客観的にみたままの評価で記載。

治療方針

DNAR(蘇生を行わない)なのかフルで治療を行うのか?

初回で聞けないこともあるので、医師に依頼するのか、他の機会にするかをしっかり記載する

介護度

介護保険証で必ず確認

ケアマネージャー

キーパーソンの1人でもあるので記載は必ず行う

内服薬

お薬手帳があれば転記、医師が確認してくれていることが多いので、カルテで事前記載が無難

アレルギー

食事や薬のアレルギーの有無を確認。細かくは難しいので確認をすることを念頭に実施を必ずする。

喫煙・飲酒

細かく聴取すると関係性の悪化を招くので、簡単に記載

今回は特に重要な上記10項目をまとめました。その上で最も重要な項目と、考え方を並べてみました。

3-1 アナムネで重点的に確認するのは緊急連絡先とADL 

アナムネは完璧に実施しようとすると時間もかかりますし、聞き方によっては関係性を崩しかねないです。主な必要項目は10項目になりますが、その上で絶対に聞かないといけない項目は「緊急連絡先」「ADL」になります。

「緊急連絡先」は何か起きた際に、連絡がつかないと処置や対応に困ってしまうからです。慣れない看護師は1人聞いて満足してしまいますが、必ず2人以上確認して、連絡が取れなくても他に連絡できるようにしましょう。もし2人が難しければ、携帯と職場の連絡先をつけるのが、繋がるためのコツになります。

「ADL」は病状の変化を把握するために、非常に重要です。急変時に入院時との比較には必要不可欠なので、ここは1番時間をかけてもいい項目になります!

3-2 アナムネは最長30分で設定する

入院時にアナムネを行う際に、時間配分ができずになかなかできず、時間を長く書けてしまう場合があります。アナムネ聴取は最長30分と決めて行うようにしましょう。患者さんによっては長く話すことで疲労感を訴える場合がります。また業務で忙しい中、時間が不確定ですと後の業務にも支障がきたします。そのためにも上記を参考にして時間配分を考えるようにしましょう。

4 アナムネとムンテラは全く違う!

特に新人看護師に多かったり、実際指導者側になった際に混同してしまうのが、ムンテラとの違いになります。4章で違いなどを明確に記載したので、この機会に理解を深めましょう。

アナムネは1章で説明したように看護師が「病歴」や「ADL」など患者さんに関して聴取するものになります。一方ムンテラはドイツ語のMund(ムント:口)+Therapie(テラピー:治療)を合わせた造語になります。医師からの「病状説明」のことを指すので内容そのものが異なっています。

アナムネ

ムンテラ

実施者

看護師

医師

内容

病歴やADLなど患者さんの情報を得る

病状や治療方針を患者さんに説明する

5 まとめ

アナムネとは入院時に行う、看護師として重要な業務の一つであり、本人やご家族から現在の病気の経過や状況を聴取します。項目としては、病歴だけでなく家族構成、緊急連絡先、嗜好品やADL自立度など幅広い患者情報になります。

・カルテなどから事前準備を行う

・患者さんやご家族に話せるように問いかける

・用紙に沿ってとにかく埋める

上記3つが重要ポイントとなり、看護師として抑えるべき項目になります。その上で参考になる10項目を並べてありますので、日々の業務や後輩育成に生かして頂ければ幸いです。

訪問看護をやってみたい。やりたい看護がある。そう思う人こそリカバリーに来てほしい。

「自分の大切な人を看るように、利用者様やご家族と関わる」

訪問看護ステーション リカバリーは、創業からこの思いを持ち、
利用者様やご家族にとって「もうひとりの温かい家族」のような存在として、
在宅での療養生活をお手伝いさせていただいています。

「あなたが来てくれると安心する」
「おうちで過ごせてよかった」

1人でも多くの利用者様の「家に帰りたい」という思いを叶えるため、
「もうひとりの温かい家族」という思いに共感してくれる看護師の方、
わたしたちと一緒に働きませんか?