目指すべきは認定看護師?専門看護師?比較表をもとに徹底解説!

認定看護師、専門看護師を比較表をもとに徹底解説認定看護師、専門看護師を比較表をもとに徹底解説

目指すべきは認定看護師?専門看護師?比較表をもとに徹底解説!

この記事は、自分が認定看護師を目指すべきなのか、専門看護師を目指すべきなのか決めきれないという方に必見です。
世の中認定看護師と専門看護師の違いやそれぞれの資格の説明は溢れているけれど、全体像がまとまっていて、違いが一目でわかるという情報がありません。そこで、全体像が一目でわかる比較表を作成しました。

比較表の作成にあたっては、日本看護協会のそれぞれの資格の説明やカリキュラム、ある大学院の400ページにも及ぶ教育要綱を読み込んでまとめました。

全体像を比較表でまとめていくと、認定看護師を目指すべき人はどういう人か、専門看護師を目指すべき人はどういう人かが見えてきます。

この記事を読み終わった後に、いままでぼんやりと腑に落ちなかった、それぞれの資格の違いが明確になり、今後どちらを目指すか、明確に目標設定ができるようになれば幸いです。

1 認定看護師と専門看護師の違いが一目でわかる比較表

1-1 特に大きな違い3つ

まず、特に違いが大きいポイントを3つに絞った表をご覧ください。

項目 認定看護師(CN) 専門看護師(CNS)
取得までの時間 615時間 大学院の修士課程の修了(2年)
視点 現場視点(現場のTOP) 業界全体、病院全体の視点
希少価値
(2018年12月)
19,894人 2,279人

認定看護師と専門看護師の一番の違いは、取得までの時間が認定看護師が615時間で6か月~1年以内で取得できるのに対し、専門看護師は大学院の修士課程を修了する必要があるため、取得までに最低でも2年係るというところです。

2つ目の大きな違いは、認定看護師が現場での看護技術の実践に焦点を当てていて、看護技術の周辺である看護管理や安全管理は理解するのにとどまるのに対し、専門看護師は、看護技術の周辺にも焦点を当て、研究を通して、管理運用フローや新たな管理手法の計画・立案を実践できるようにすることまでが守備範囲となっていることから生じています。

3つ目の大きな違いはその人数です。専門看護師資格保持者は認定看護師の約10分の1ほどしかいないため、希少価値が大きいです。

1-2 比較表で様々な違いを比較

以下の表では、小さな違いも含め、様々な項目で比較しました。

英語表記の比較などは違いが良くわかります。専門看護師はSpecialistとつきますので、認定看護師よりも専門性が高いと判断できます。

認定看護師と専門看護師の項目ごとの説明と違いをまとめた比較表は以下の通りです。
特に違いが端的に表れている部分は赤字で表記してます。

項目 認定看護師(CN) 専門看護師(CNS)
英語表記 CN【Certified Nurse】 CNS【Certified Nurse Specialist
定義 認定看護師は、
①高度化し専門分化が進む
医療の現場において
②水準の高い看護を実践できると認められた看護師
専門看護師は、
①水準の高い
看護を効率よく行うための技術と知識を深め
②卓越した看護を実践できると認められた看護師
実務経験 看護師としての実務研修:5年以上
その専門分野での実務研修:3年以上
看護師としての実務研修:5年以上
その専門分野での実務研修:3年以上
必要時間 日本看護協会が定める615時間以上の認定看護師教育 看護系の大学院で修士課程を修了して必要な単位を取得
期待される役割 ・実践
・指導
・相談
・実践
・相談
調整
倫理調整
・教育
研究
活躍の場所 ・病院
・訪問看護ステーション
・クリニック・診療所
・介護保険施設等
・病院
・大学等の
教育の現場
・訪問看護ステーション等
分野

【21分野】
・感染管理
・糖尿病看護
・乳がん看護
・皮膚
・排泄ケア
・緩和ケア
・がん化学療法看護
・集中ケア
・救急看護
・がん性疼痛看護
・認知症看護
・摂食・嚥下障害看護
・脳卒中リハビリテーション看護
・訪問看護
・手術看護
・新生児集中ケア
・小児救急看護
・慢性心不全看護
・慢性呼吸器疾患看護
・透析看護
・がん放射線療法看護
・不妊症看護

【13分野】
・がん看護
・慢性疾患看護
・感染症看護
・精神看護
・老人看護
・在宅看護
・災害看護
・家族支援
・遺伝看護
・急性・重症患者看護
・母性看護
・地域看護
・小児看護
人数
(2018年12月)
19,894人 2,279人
教育カリキュラム
履修モデル
【共通】
<必修:医療安全学>
・医療倫理
・医療安全管理
・看護管理・薬理作用
・チーム医療論
・相談、指導、医療情報論
   
<選択>
選択科目の履修はすべて任意

【共通】
<必修>
・看護学研究方法論
・応用統計学
・演習
・課題研究
<選択>
・看護理論特論
・看護倫理特論
・コンサルテーション論
・看護行政政策論
<CNS必須>
・機能病態学特論
・臨床薬理学
<CNS選択>
・看護教育学特論Ⅱ(CNS)
・看護管理学特論Ⅰ(看護管理論)
カリキュラム各論
在宅領域の履修モデル
【訪問看護】
・訪問看護概論
・訪問看護事業所経営管理
・安全管理
・家族支援
・在宅医療病態論
・地域包括ケアシステム
・在宅における医療処置管理
・在宅薬剤管理
・フィジカルアセスメント
・在宅療養に必要なセルフケア支援
・エンド・オブ・ライフケア
・学内演習
・臨地実習

【在宅看護】
・フィジカルアセスメント特論
・在宅看護学特論Ⅰ(在宅ケアマネジメント論)
・在宅看護学特論Ⅰ(在宅ケアマネジメント論)
・在宅看護学特論Ⅲ(在宅看護援助論)
・在宅看護学特論Ⅳ(在宅医療ケア論)
・在宅看護学特論Ⅴ(訪問看護管理論)
・在宅看護学実習Ⅰ(在宅ケアマネジメント実習)
・在宅看護学実習Ⅱ(在宅高度実践看護実習)
・在宅看護学実習Ⅲ(訪問看護管理実習)

試験合格率
(2018年)
87.3%
受験者数:1,480人、合格者数:1,293人
76.2%
受験者数:257人、合格者数:196人
給与面 認定を持っている持っていないで大きく変わらない。 専門を持っている持っていないで大きく変わらない。
資格取得の流れ 認定看護師 資格取得の流れ 専門看護師 資格取得の流れ

2 期待される役割の違いからうまれる明確な相違点4つ

認定看護師と専門看護師、名前は似ているけれど、明確に異なる点が4つあります。
以下に4つの違いをまとめた表を載せたうえで、1つ1つ説明していきます。

項目 認定看護師(CN) 専門看護師(CNS)
役割 現場のSpecialist マネジメントのSpecialist
ポジション 現場のTOP 複数の現場のマネジメント
資格取得までの期間 6か月 24ヶ月
カリキュラム 高度な専門性 左記に加え、研究、政策立案を勉強する

2-1 認定看護師は現場のSpecialist、専門看護師はマネジメントのSpecialist

1章の期待される役割の中で、認定看護師には「実践、指導、相談」があり、専門看護師にはそれに加えて、「調整、倫理調整、研究」という役割が期待されています。

認定看護師にはそれぞれの分野において、現場のTOPとして、高度な看護技術の実践、後輩の指導・教育、患者さんのコンサルテーションが求められています。

専門看護師には、それぞれの分野において、いくつかの現場を束ねる存在として、調整力、研究を通して、いくつもの現場を俯瞰するような広い視野から根拠立った政策の立案・実践が求められています。

2-2 認定看護師は現場のTOP、専門看護師は複数の現場のマネジメントで力を発揮する

認定看護師は現場のTOPとしての役割を、専門看護師はいくつもの現場をマネジメントする役割を与えられれば誰よりも役割に応じた力を発揮することができるでしょう。

2-3 資格を取るための場所と時間が違う

認定看護師は全国に2個所しかない教育機関に6ヶ月間通うのに対し、専門看護師は2019年現在、107大学大学院が認定(教育機関・課程一覧はこちら)されており、大学院に2年間通う必要があります。

教育の時間差からも専門看護師の方が専門性が高いことがわかります。

2-4 カリキュラムの違い

認定看護師と比較して、専門看護師は対象の患者さんに質の高い看護を提供することのみならず、保健・医療・福祉の政策上の諸問題を改善し政策的な働きかけする役割を果たすことが期待されています。
そのため政策立案を行うためのカリキュラムや、医療・介護の受療者である患者さんや利用者さんにとって価値ある医療・介護サービスとはなにかを研究し、その根拠作り必要な統計的な考察を行うために、統計学を学ぶことができます。

また、専門看護師は、高度な看護実践、研究・教育活動を通して国際的・社会的に貢献できる能力が期待されており、認定看護師には無いカリキュラムが用意されています。

3 認定看護師と専門看護師の昇格、給与は約束されない

認定看護師、専門看護師の資格を持っているからといって、昇格や昇給が保証される病院はまだまだ少ないです。

少し古いですが、2012年に日本看護協会が行った、「病院勤務の看護職の賃金に関する調査」結果によると、認定看護師に対して、賃金表で昇格・昇給を定めていない、また、手当なしとしている病院が全体の54.8%、専門看護師に対して、同じく全体の61.4%でした。
認定看護師 専門看護師 賃金処遇
※出典:日本看護協会 看護職の賃金の実態

4 認定看護師を目指すべき人

以上の違いから認定看護師を目指すべき人は以下のような人になります。

・現場のTOPとしてバリバリ看護師キャリアを築いていきたい方
・短期間に高度な看護技術の習得を目指したい方
・看護師として、患者さんに寄り添っていたいという思いが大きい方

5 専門看護師を目指すべき人

以上の違いから専門看護師を目指すべき人は以下のような人になります。

・研究を積極的に行い、その成果を患者さんのみならず、看護業界にも還元したい思いがある方
・看護師の教育・育成を行いたいと考えている方
・ある程度経済的余裕と時間がある方
・看護師の社会的地位向上を活動を通じて目指していきたいと考えている方

6 まとめ

看護師の資格は制度自体まだ歴史が浅いですが、看護師の世界も学歴社会が広がってきています。国際的にも看護師資格は大卒以上が標準であり、日本も国際標準を意識した制度設計となってきていることから、今後、認定看護師や専門看護師の重要性はますます高まってくることでしょう。

今のうちから、看護師として、どういうキャリアプランを考えるか、自身の将来や看護業界の将来を見据えた検討を行っていくことで、明るく輝く看護師人生を送ることができるというもの。

この記事が1人でも多くの看護師の未来を支援することになれば幸いです。