固定チームナーシングとは?働くうえで知っておきたいメリット・デメリット

固定チームナーシング固定チームナーシング

固定チームナーシングとは?働くうえで知っておきたいメリット・デメリット

病院に勤め始めて先輩から聞くチームナーシングという言葉。

チームナーシングとはどのようなものなのか、実は看護師としてのスキルアップ・キャリアアップを考えたとき、チームナーシングかどうかはとても重要な要素になるんです。

特に固定チームナーシングについては、今後自身がどの疾患のスペシャリストになるかを考える前に知っておかなければならないというほど重要です。

今回はチームナーシングという看護方式についてメリット・デメリットなども含めて解説していきます。

固定チームナーシングについて深く理解することで、スキルアップ・キャリアップにつなげていただければ嬉しいです。

1 チームナーシングとは?固定チームナーシングとチームナーシングの違いとは?

チームナーシングとはリーダーの下で看護師や准看護師、看護助手などがチームを作り、看護ケアにあたる看護方式であると定義されています。チームメンバーは日や週単位で代わり、長い場合だと年単位で固定されます。半年や年単位でチームメンバーを固定する場合に固定チームナーシングと呼ばれます。

看護協会が行った調査によると、チームナーシングを行っている病院の割合は32%と最も多く、さらにチームナーシングに加えて他の看護方式も採用しているというところも合わせると64%となっています。そのため、チームナーシングという言葉を聞いたことある方は多いかと思います。(参照:日看管会誌 看護方式の採用状況に関する調査

近年、看護師の業務は多様化してきています。認定看護師や専門看護師、特定行為研修修了者といった幅広い資格もでき、また、新人、ベテランといった看護師としての経験年数の違いなどもあり、看護ケアの質のバラつきは課題とされていました。

そこで、チームナーシングを導入しチームで情報を共有し、チームで看護を行うことで看護ケアの質を維持することができるようになりました。また、これによって看護ケアの質が担保されると、患者さんの満足度を上げることにもつながります。

2 固定チームナーシング4つのメリット

看護師としてのスキルアップ、キャリアアップを考えると、ある程度メンバーを固定する、固定チームナーシングが早く成長することができるのでおすすめです。なぜなら、固定チームナーシングにはプライマリーナーシングと比較して4つのメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。

2-1 高品質の看護ケアを効率的に学ぶことができる

チームナーシングを行う最たる目的及び効果は、ケアの質の維持です。チームナーシングを導入しチームで情報を共有し、チームで看護を行うことで看護ケアの質を維持することができます。また、これによって看護ケアの質が担保されると、患者さんの満足度を上げることにもつながります。

チームナーシングを導入し複数人でしっかりと患者さんを捉えることができることで、患者さんをより幅広い観点から理解することができます。そのうえで、患者さんへの看護計画や対策を立てやすくなるため、患者さんの転倒転落の減少や褥瘡対策の改善などリスクマネジメントの観点で高い効果が得られます。(参照:J-STAGE 臨床看護師が経験する良いチームワーク

2-2 看護師間でのコミュニケーションがとりやすく、スムーズに仕事ができる

特に新人看護師においては先輩看護師に話しかけるということに躊躇してしまいがちですが、チームという少人数での枠組みを作ることで、新人看護師は他の看護師に気兼ねなく質問などがしやすくなります。

また、中堅看護師やベテラン看護師も新人看護師など自分よりも下の看護師と協同するためには自分の思いや意見を下の看護師たちにわかりやすく伝えなければなりません。自分に関係がなければ調べておいてなどという会話で終わるかもしれませんが、自分の行ったことが自分に直結して返ってくるのでより詳しく、より分かりやすく説明を行う必要があります。

すなわち、聞く、話すというコミュニケーションの核がお互いに磨かれることとなるため、より円滑にコミュニケーションをとれるようになり仕事がはかどるようになるのです。

2-3 1人の負担が分散し精神的負担が軽い

看護師長をはじめ、多くの目で1人の患者さんを看ているため、例えば、ミスなどにもすぐに気づくことができます。1人で1人を看ているというプレッシャーが少ないため、精神的に看護をする側が楽な看護方式でもあります。

2-4 モチベーション高く仕事ができ、満足感を得られる

看護師のやる気及び満足度への直結です。チームワークは看護師のやる気や職務満足に関係することがとある研究にて明らかにされています。

つまり、チームナーシング方式で看護を提供しなおかつ良いチームで看護を行うことができれば看護師からの高い満足度が得られ、さらなる看護へのやる気につながったり離職防止ができたりと、病棟あるいは病院にとってプラスとなる結果が生まれるのです。(参照:固定チームナーシングにおける看護ケアの満足度の調査

3 固定チームナーシングのデメリットは人間関係

看護師におけるチームナーシングのデメリットはずばり人間関係です。人それぞれに個性がありチーム内にはさまざまな個性がそろっています。中には自分のことだけ頑張ればそれでいいという人やマイペースに業務をこなす人、テキパキとこなすが漏れが出る人もいます。そういった多くの個性がまとまらなければチームとして成立しません。

しかし、人間には相性というものもあるので、人としての相性がトラブルに発展する原因にもなりかねず、それによってチームがうまく機能しないということもあります。チームが機能しなければ当然ながら看護も機能せずこれがデメリットとなると考えられます。

何事もメリットだけではなくデメリットがあります。看護師としてのスキルアップ・キャリアアップを考えると、このデメリットには正面から向き合い、頑張って乗り越えましょう。

4 就職・転職時に必ずチェックすべき3つのこと

就職・転職時には病院のホームページや面接などで以下の3点は必ず確認しましょう。

  • 固定チームナーシングか否か
  • 自分が所属するチームの人数は7人以下か
  • 看護部長、看護師長の受け持ちの患者数は何人か

これらは、自身の成長できる環境であるかどうかを知るために重要な3つの項目です。以下でそれぞれ説明していきます。

4-1 【チェックポイント①】固定チームナーシングか否か

チームナーシングはチームのスタッフが固定されている看護方式と、日々スタッフがいくつかのチームを行ったり来たりする看護方式の2パターンがあります。それぞれでメリットの教授の仕方が異なってくるため、就職説明会や転職時の面接で確認するようにしましょう。

前者は固定チームナーシングや継続機能受け持ち方式と呼ばれ、チームおよびリーダーを一定期間固定して行うチームナーシングのことを言います。約3割の病院が1~2週間の固定として、長いところでは約6か月間チームを固定しているというところもあります。

また、近年ではこの固定チームナーシングをさらに発展させたPNS(パートナーシップナーシングシステム)を導入しているところもあります。これは、チームを年単位で組み、さらにチーム内でペアを決めて小チームを作る方式のことを言います。

固定チームナーシングとPNSを組み合わせて行っているところもあり、これによってスタッフとのコミュニケーションがアップする、精神的な負担が減る、業務が効率化されるなどの効果があるともいわれています。(参照:岐阜大学医学部付属病院 看護方式

4-2 【チェックポイント②】チームの人数は7人以下か

チームナーシングのチームの人数は病院によって異なります。おすすめは1勤務帯におけるリーダー・サブリーダー以外の合計人数が7名以下で動いている病院です。

スパン・オブ・コントロールという言葉をご存知でしょうか。リーダーが管理できる人数を定義する考え方です。リーダーが管理可能な人数というのは、リーダーを除くと7名程度だろうという考え方で、成長する組織というのは、リーダー・サブリーダー以外が合計で7名以下であるというものです(参照:グロービス経営大学院 スパン・オブ・コントロールとは・意味

その上で、チームの中の役割分担はどうなっているのかを確認すると日々の動き方が見えてくるため、就職説明会や転職時の面接で確認するようにしましょう。
チームナーシング 図示
※引用:聖フランシスコ病院 看護の現場

多くの病院が、1病棟における人員を2分割から3分割してチームを編成しています。1勤務帯におけるチームの人数は、リーダー1人、フリー業務を行う看護師が1人、早番もしくは遅番が1人、受け持ちをするチームメンバー3~4人という構成が多いと思います。

このチームメンバーが病院によって多い少ないがあります。患者さんの人数が多いあるいは、受け持ちの人数の割合が7:1など少ない場合はチームメンバーの人数が多く、患者さんの人数が少ないあるいは受け持ち人数の割合が20:1など多い場合はチームメンバーの人数が少ないチーム編成となります。

4-3 【チェックポイント③】看護部長、師長の受け持ちの患者数は何人か

看護師長が患者担当を持っていないということは、常にチームを見渡し、チームがうまく稼働しているかをチェックするという役割に集中できていると期待できます。

看護部長、看護師長の立ち位置を確認するようにしましょう。看護師長が患者さんの担当を持っているかどうか質問すると良いです。

看護師長はチームを見守り、指示を出すだけでなく、時にチームが円滑に業務を遂行できるように助け舟を出すということが重要な役割となるのです。また、それに加えてチームリーダーを適切に評価するのも看護師長の役割です。

特に前述したようにチーム内の人間関係においてはチームメンバーだけでなく、場合によってはリーダーも口出しをできない場合があります。例えば、チームメンバーがリーダーよりも年上あるいは経験豊富であるという場合は、いくらチームを乱している存在であったとしてもリーダーが注意をするということは非常に難しくなるかもしれません。そういった場合には看護師長の出番となります。

また、チームナーシングにおいて、看護師長へ直接アクションを起こせるのはリーダーのみとしています。ですので、リーダーの相談役に回ったり、リーダーへ指示を出してチームメンバーへ拡散をしてもらったりということも必要になります。

リーダーがリーダーとして機能できているか、チームメンバーが信頼して仕事をすることができているかを評価し、場合によってはリーダーを交代するなどしてチームを調整することも看護師長の役割として必要になるのです。

5 まとめ

チームナーシングという看護方式についてお分かりいただけたでしょうか。近年ではより看護師が働きやすく、また、患者さんに効率よく看護ケアが提供できるように新しい看護方式が確立されつつあります。

さらに、さまざまな看護方式を組み合わせたり、病院独自のオリジナルの看護方式を確立している病院もあります。

今後転職など考える際には、自分が働きやすい看護方式を行っている病院を選ぶということも、看護師が転職をするうえで考慮するのも良いかもしれません。

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