看護師は自分のキャリアデザインをしっかり設計すべき!無料テンプレと簡単な設計方法の解説

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看護師は自分のキャリアデザインをしっかり設計すべき!無料テンプレと簡単な設計方法の解説

看護師として、これからのキャリアを考えたとき、まずはどんなキャリアをデザインするのかがとても大切です。

筆者は訪問看護ステーションで看護師の採用活動を行って3年になります。転職活動をしている看護師と話をすると、キャリアデザインをしっかりと設計していない方がほとんどです。話していて気づいたのは、多くの看護師は自分のキャリアデザインの書き方をきちんと学んだことがないということです。

専門職としてその可能性は無限大とも言える看護師だからこそ、自分が目指す方向をしっかりと見定めて日々鍛錬していかないと、ブレブレの看護師なってしまいかねません。

キャリアデザインはどう描いていくのか、資料を探したり、インターネットで検索しても看護師にとっての良い例がなかなか出てこないようにも思います。

そこで今回は、看護師としてのキャリアをこれからきちんと積もうという人に向けて、自分に合ったキャリアをデザインする方法を解説します。

1 『Will』『Can』『Must』に区分して整理する 

そもそも、キャリアデザインを描くとは、「自分が将来こうなりたいという姿を定めて、その希望の姿に到達できるまで、何が必要か、自分がすべきことは何かを考え、目の前の自分の仕事をより主体的に取り組めるようにする」ことです。

そして、このキャリアデザインを描くために有用なフレームワークがあります。「Will(ウィル)」「Can(キャン)」「Must(マスト)」に区分して整理するというものです。
will can must

これらの、Will、Can、Mustに考えていることを当てはめて整理していき、WillとCanが重なり合った部分である『①』が自分に合ったキャリアの方向性になります。

また、キャリアの方向性が見えてきたら、次にMustである実現に向けてやらなければならないことを洗いだすことになります。洗いだされたMustが重なって『②』の部分がデザインされたキャリアになるのです。

例えば、新卒で病院勤務を2年ほど経験した看護師が特定分野のエキスパートである認定看護師を目指す場合の看護師のキャリアデザイン過程をWill、Can、Mustに当てはめてみるとこうなります。

  • Will:認定看護師の資格をとり、特定分野のエキスパートになりたい
  • Can:すでに2年間、特定分野に関する臨床経験を積んでおり、質の高い看護が提供できる
  • Must:エキスパートになるためにさらに看護技術を実践の中で磨かなければならない、将来指導者になるためのリーダー経験を積まなければならない、医学の進歩は早いため、年間5回は認定分野の学会や勉強会に参加し、知識を深めなければならない、認定看護教育課程を受講し、試験を突破しなければならない

    認定看護師の資格を取りたいという目標を定めると、あとはそれを達成するために今の状況と逆算して考えるとスムーズにいきます。

    さらに、認定看護師も、資格をとったら終わりではなく、資格をとったあと、それをどのように職業として生かしていきたいかまで、想定すると良いでしょう。

    2 エクセル等に1つにまとめる

    「Will」「Can」「Must」で自分のキャリア目標が明確になったら、それを「いつまでにすべきか」という時間の軸を加えます。そこで役に立つのが、エクセル等の表計算ソフトです。

    Mustを洗いだすと気づくのですが、いくつかの項目は同時並行で進んでいきますし、キャリアデザイン自体が中長期目標であるため、どこかに記録しておかないと忘れてしまいます。

    そこで、具体的には、「ガントチャート」と呼ばれる作業の工程表を作成します。第1章で例に挙げた認定看護師のキャリアをデザインした場合のガントチャート例は下記になります。
    キャリアデザイン ガントチャート

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    ガントチャートにまとめることで、自分が思い描く看護師のキャリアを築くための全体のスケジュールがわかるようになります。

    表を作るのは少し面倒と思うかもしれませんが、ここは下書きなどはせず、どんどんと作っていきましょう。あとからいくらでも手直しができるので、まずは一通り「ガントチャート」を作ることに意識を集中させてください。以下ではガントチャートの作成方法を解説します。章の最後にはガントチャートのテンプレートもダウンロードできるようにしてますのでご使用ください。

    2-1 ガントチャートの使い方

    ダウンロードできるように用意したガントチャートはグレーに染めた個所と緑に染めた個所を入力すると完成するように作っています。入力場所に自分なりに入力することで、自分のキャリアがデザインされる仕組みです。ここでは、入力の仕方など使い方のポイントを解説していきます。

    2-1-1 横軸に時間、縦軸にMustを並べる

    ガントチャートを作成するときは、表の横軸には「時間」、縦軸には洗いだしたWillとMustを並べていきます。入力は、B列の『キャリアデザイン』です。グレーの個所にWillである認定看護師資格を取得することと記載し、その下に取り掛からなければならない時期が早そうなMustの順に入力していきます。

    キャリア目標のプランは、はじめからかっちりと決める必要はありません。なぜなら、後述するように、計画・実行・評価・改善のなかで、目標も変化していく可能性があるからです。

    2-1-2 いつまでに達成するか年月を明確に決める

    次に大切なことは、WillとMustを並べ終えたら、それをいつから開始するのか、また、いつまでに達成するのか、年月を明確に決めて開始日、完了日にそれぞれ明確に日付を入力しておくことです。テンプレートのC列D列へ年月日を入力してください。

    達成する年月は、自分のライフステージやライフスタイルに沿ったものでなければいけません。加えて、もし先ほどの例のように認定看護師になりたいのであれば、なるための教育課程を受ける期間も、もちろん十分考慮する必要があります。

    テンプレートはファイルを開いた時点の年月が赤色で染まる仕組みにしています。次の章にある達成状況を入力すると、ファイルを開いた時点の年月と達成状況が比較できるようになり、キャリアデザイン通りに進んでいるのか、遅れているのかが可視化されます。

    2-1-3 達成状況(%)を入力する

    達成状況をパーセント(%)で入力すると、達成した部分の色が青色からグレーに変わります。何パーセントと入力するかは自己評価に基づきます。Willを達成するために何パーセント達成しているかは自分で厳しめに評価することをおすすめします。

    Willを入力するグレー部分の達成状況は入力されたMustの平均として自動的に算出されます。こちらはWillの達成状況を全体的に見ることができます。

    2-2 ガントチャートでPDCAを管理する

    ガントチャートができたら、次はPDCAを管理します。

    PDCAとは、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)の4段階をいいます。このPDCAサイクルを使い、まずは計画に沿うように実行し、それがきちんと目標に向かって実行できているかどうかを評価します。

    上述した達成状況を入力することで、本日現在で達成すべき状況を達成しているか、また、達成していない場合、遅れを取っているMustは何かを把握することができます。この把握がCheckです。

    Mustが遅れを取っている場合、遅れを取り戻すための施策を考えましょう。例えば、休みの日は1時間早起きして、遅れている分の勉強をしていこうと考え、行動に移すのです。

    日々のPDCAから遅れを取り戻すころができれば良いですが、もし、Mustに取り掛かってから完了日付に無理があったと気づけば、当初の計画には無理があったことを把握できます。その場合は、当初の完了日付設定の経緯を振り返り、無理な計画を立ててしまった原因を分析し、他のMustが無理な計画となっていないか、改善すべき点があれば、改善していくのです。

    このPDCAサイクルを繰り返すことが看護師のキャリアプランを思い通りに遂行させるポイントになるでしょう。

    2-3 定期的な見直しが必要

    看護師のキャリアデザインを描いたら、まずは実行することが大切です。しかし、ただ実行するだけではいけません。定期的な見直しが必要になります。

    自分で計画を見直す時期を1ヶ月に1回などと決めて、予定通りに計画が実行できているかを適宜確認していきましょう。

    Must項目も適宜追加してかまいません。自分で必要と思ったMustは適宜追加し、必要性が思いのほか低かったと気づいたものは、その時点で適宜削除して、キャリアデザインを洗練させていきましょう。

    2-4 キャリアデザインを作成しておくと、転職時に有利

    看護師としてのキャリアを考えたとき、自分の「Will」「Can」「Must」が何かを考え、それをガントチャートのような表にまとめると、視覚的にも進むべき進路がみえやすくなります。

    そして、その表をもとにして、いつまで何をすればいいのか目標を立て、計画、実行、見直しを繰り返していきます。

    このように、長期的・短期的な視点からキャリアデザインを作成しておくと、転職するときに非常に有利になります。なぜなら、キャリアを着実に積み上げるために計画・実行してきたことを、転職時の面接で時系列に沿って必要な項目に絞って説明できるからです。面接官はわかりやすい説明ができる人だと評価することに繋がります。

    また、キャリアデザインに沿った転職先も選ぶことで、なぜ今この仕事を選ぶのかの動機づけも明確に示すことができ、それがほかの看護師との差別化にもつながります。

    3 キャリアデザインを設計することの効果・メリット

    看護師としてのキャリアデザインを設計すると、転職時だけでなく、さまざまな効果やメリットがあります。最後にその効果やメリットをみていきましょう。

    3-1 客観的に今の自分を知ることができる

    キャリアデザインを設計すると、今の自分を客観的に知ることができます。

    看護師として日々忙しく働いていると「なぜ今自分はここで働いているのか」と働く目標を見失ったり、ただ漫然と働くだけになってしまったりすることがありますよね。

    しかし、キャリアデザインを作ることで、今置かれている環境や自分の実力、本来目指すべき目標やキャリアが明確になり、今ある自分によりフォーカスできるようになります。

    3-2 自分で作るからモチベーションアップ

    キャリアデザインは、専門家に作ってもらうこともできますが、やはり自分で作った方が明らかに目標を達成するためのモチベーションアップにつながります。

    自分で考えて作るからこそ、看護師のキャリア目標と今の自分との差もより明確に分かり、その差を埋めようと努力するからです。

    真面目で努力家の多い看護師だからこそ、キャリアデザインは自分で作り、それで自分を鼓舞する原動力にしましょう。

    3-3 周りに流されず、自分に最適なキャリア開発ができる

    自分でキャリアデザインを作ると、否が応でも今ある自分の実力、やりたいこと、達成したいことなどと向き合うことになります。

    しかし、その自分の棚卸しをすることで「本当にしたいこと」が分かり、ほかの誰でもない、自分の最適なキャリア開発をすることができるのです。

    ときにありがちな、周りの看護師の進路や転職の様子が気になり、自分が本当にしたいことがわからなくなるということもありません。

    3-4 目標期日に迫られることで、成長が加速される

    キャリアデザインを作成するメリットとして、目標を達成する期日を設けることで、それを達成するために成長がより加速されることが挙げられます。

    やはり、看護師として働いていると、忙しさに甘えて、ときに漫然とキャリアをやり過ごしてしまうこともあります。

    しかし、ただなんとなく過ごすのではなく「この目標を達成するためには、いつまでにこれをする必要がある」と強く認識することで、今やるべきことが見えて、それを一つずつクリアすることで成長につながります。

    4 まとめ

    「看護師として、これからどうやって働けばいいのか分からない」「キャリアアップしたいと考えているけれど、どうやってキャリアアップのプランを考え実行していくのか分からない」

    そんな看護師がいれば、ぜひ自分で看護師としてのキャリアデザインを考えてみてください。その際は、「Will(実現したいこと)」「Can(できること)」「Must(すべきこと)」の視点から、まずは今の自分の看護師としての経験や実力をたな卸しをし、そして将来なりたい看護師像を作りあげていきましょう。

    それができたら自分の目標となるキャリアデザインをエクセルなどの表にまとめ、あとは計画・実行・評価・改善を繰り返し、ブラッシュアップしていきます。

    そうすることで、長期的な視点で看護師のキャリアをとらえながら、日々の仕事にも取り組むことができ、その一つ一つの積み上げが看護師のキャリアを築くことになるのです。

    ぜひ自分で看護師のキャリアをデザインし、なりたい看護師へとキャリアアップしていきましょう。