辛い二交代制の夜勤を克服する5つの方法

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辛い二交代制の夜勤を克服する5つの方法

二交代制の夜勤を続けていて辛いと感じることはありませんか?

看護師として病院や介護施設など療養の場で働く以上避けては通れないのが夜勤です。
看護師の夜勤は二交代制と三交代制がありますが、二交代制の場合の勤務時間は約16時間です。

現在、日本の病院では二交代制の病院が増えており、導入する病院は2008年には6割近くであったのに対し、2017年には7割まで増加しています。

この記事では、しっかりとした根拠データに基づいて二交代制の夜勤の辛い理由を整理したうえで、辛い夜勤の克服方法を紹介します。
紹介する克服方法を実践することで、夜勤の辛さを少しでも減らせることができれば幸いです。

1 二交代制を取り入れている病院は7割もある

二交代制を取り入れる病院が年々増え続け、2017年には約7割に達しています。

二交代制とは1日24時間を日勤と夜勤の2つに分ける交代制勤務の形態です。
多くの病院では日勤が8時間勤務、夜勤が16時間勤務となっています。

厚生労働省が行っている、二交代制を取り入れている病院数を調査する「医療施設静態調査」の結果を集計した表が以下の通りです。

2017年調査 三交代制 二交代制 当直制
一般病棟 27.8% 70.4% 1.8%
療養病棟 13.4% 85.6% 1.0%
精神・結核病棟 30.8% 66.9% 2.4%

※参照:厚生労働省 医療施設調査 平成29年医療施設(静態・動態)調査

2008年調査 三交代制 二交代制 当直制
一般病棟 38.1% 59.2% 2.6%
療養病棟 16.5% 80.8% 2.7%
精神・結核病棟 38.4% 59.5% 2.1%

※参照:厚生労働省 医療施設調査 平成20年医療施設(静態・動態)調査

2017年厚生労働省「医療施設静態調査」を参考に重複を除外するよう推定計算したところ、一般病棟では二交代制を取り入れている病院が70.4%であるのに対して三交代制は27.8%という結果でした(重複を除外するよう推定計算)。療養病棟においては85.6%が二交代制を取り入れており、2008年の調査時よりも二交代制勤務をとりいれている病院が増加しているということが分かります。
10年ほどの間に二交代制勤務を取り入れる病院が約10%増加したという結果になります。

2 二交代制が増える理由は2つのメリットにあった

二交代制が増加しているのか、それにはいくつかの理由があります。

2-1 夜勤中にまとまった仮眠時間が取れる

二交代制の場合、夜勤中にまとまった仮眠時間が取れます。
看護師はこれをメリットに感じ、三交代制よりも二交代制を圧倒的に支持しています。

国立国際医療研究センター病院が行った研究によると、二交代制勤務と三交代制勤務のどちらを支持するかという質問において、約90%以上の看護師が二交代制勤務を支持するとしています。その理由としては夜勤前に長い時間仮眠ができる、夜勤中もまとまった時間の仮眠時間が取れるということでした。
(参考文献:
国立国際医療研究センター病院 二交替制勤務看護師の疲労度,満足度に関する文献検討 -三交替制勤務との比較-

また、近年では前述したように二交代制勤務を取り入れる病院が増加しているため若い看護師たちは二交代制勤務しか経験したことがなく、必然的に慣れている二交代制勤務を続けたいという考えにつながるようです。

2-2 ワークライフバランスを保てる

現在日本全体がワークライフバランスを推進しています。
病院によっては二交代制勤務とすることで、勤務後及び、夜勤前後の時間が十分に確保でき、1日休みが増やせるという観点からワークライフバランスが充実すると考え、二交代制勤務を推奨しているというところもあります。

日本看護協会では二交代制勤務と三交代制勤務の両方を病院内で設定し、看護師自身に選んでもらうということを推進していますが、結局のところ前述した割合を見ると二交代制で落ち着く病院が多いということが現状のようです。

3 二交代制のシフト例

日本看護協会では、夜勤による健康・安全・生活面への影響を少なくするという観点から、夜勤シフト編成についていくつかの基準を提案しています。基準の内、二交代制の場合の特に重要なの基準は以下の3つです。(参照:日本看護協会 看護師の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン

・勤務間隔時間においては11時間以上の間隔をあけること
・勤務の拘束時間の長さ(拘束時間)を13時間以内とすること
・夜勤後の休息(休日を含む)は1回の夜勤後は概ね24時間以上、2回連続夜勤の2回目の夜勤後には概ね48時間以上を確保すること

また、夜勤回数は月4回の医療機関が多いものの、二交替勤務に従事している職員の月当りの平均夜勤回数は、2018年の調査結果は4.12回で前年より0.11回増加しています。実は2000年代の夜勤平均回数は3回台だったのですが、2010年以降は4回台で推移しています。
2交代制 平均夜勤回数
※出典:日本医療労働組合連合会 2018年度夜勤実態調査

これらの情報を統合すると、現在二交代制勤務の方の平均的なシフトは、週休二日制をとっているところでは、夜勤が週1回、日勤が週3~4回と考えられます。

しかし、新人看護師の入ってくる4月から新人看護師の夜勤がスタートする6月前後までは、新人看護師の存在に加えて新人看護師を指導する看護師の夜勤が減ります。そのため、これに該当しない職員の夜勤回数は増え、逆に新人指導に当たる職員の夜勤回数は減少しているということが予測できます。

4 二交代制の夜勤の辛いと感じる2つの理由

多くの看護師に支持される二交代制ですが、二交代制の勤務の中でも特に夜勤が辛いのはなぜでしょうか。二交代制の夜勤が辛い理由をまとめました。

4-1 16時間の長時間勤務は誰だって辛い

仮眠があったとしても16時間も拘束されるということはほかの職業ではあまり見られません。

仮眠をしっかりとれたとしても13時間前後フルに動き続けなければならないという点では強い疲労感を感じるでしょう。

体力的にももちろんですが一緒に夜勤に入る看護師に気を遣う精神的な疲労もあります。それは看護師歴が浅い看護師は看護師歴の長い先輩看護師に気を使うというのはもちろんですが、先輩の看護師も後輩看護師に気を使っています。特に、先輩看護師においては後輩のミスがともすれば自分自身の責任となるため、気を使い、疲労を感じるという方も少なくないでしょう。

4-2 疲労が蓄積されていくため辛い 

夜勤後に感じる疲労感は蓄積されていき、どんどん夜勤が辛くなります。

二交代制では夜勤前後の自分の時間が長いため仮眠をとることができ、三交代制よりも夜勤後の疲労感は少ないと考える方が多いでしょう。

しかし、三交代制でも二交代制でも夜勤前後における睡眠時間はさほど変わらないということが分かっています。
二交代勤務における16時間の夜勤と逆循環三交代勤務における8時間の深夜勤の明けおよび休日の生活時間において、二交代勤務化で期待されたような休日時間の変化はみられず、むしろ自由時間が減少するとう研究結果が発表されています。(参照:J-STAGE 労働科学 16時間夜勤が看護師の生活時間に及ぼす影響

つまり、三交代制よりも長い時間働いていながら仮眠時間は三交代制と同じであるため疲労が回復できずに蓄積されている傾向にあることが考えられます。
そのため、三交代制よりも二交代制の方が疲労感を感じる看護師が多いでしょう。

5 二交代制の夜勤を克服する5つの方法

現在多くの施設が二交代制夜勤を導入しており、三交代制という希望を出して医療機関を探さない限り二交代制の夜勤を従事しなければならない可能性は非常に高くなっています。

二交代制夜勤の辛さを克服するためにはどうすれば良いのか。ここでは5つの方法を紹介します。

5-1 睡眠がとれるように環境を整える

二交代制夜勤を乗り越えるのに最も重要なのが仮眠です。夜勤中に仮眠をとることを強く勧めます。
二交代制夜勤の仮眠時間は多くのところで120分の設定となっていますが、これには2つの理由があります。

1つ目は、8時間を超える夜勤に対して120分の仮眠時間は疲労回復効果、昼活動型生体リズムの維持、生活調整が容易になることが考えられているからです。

2つ目はこれだけのまとまった仮眠時間が確保されていれば入眠20~30分後には通常の夜間睡眠と同じように深い睡眠が生じ、さらに約90分後に生じるレム睡眠によって起きられる可能性が高いことから、睡眠慣性(寝ぼけ状態)に陥ることなくすっきりと目覚めることができると考えられているからです。

なお、夜勤中は寝ずに頑張って働いて夜勤が終わってからたっぷりと寝ればいいと考える方もいるかもしれませんが、疲労軽減効果は日中よりも夜間の方が高いとされており、夜勤中に60分の睡眠をとると、夜勤前に180分以上の睡眠をとるのと同等に夜勤後の疲労抑制効果を持つことが研究からもわかっています。

ただし、夜勤中は何が起こるかわかりません。場合によっては急変や急患などさまざまな出来事により仮眠をとっている時間を十分に確保できないということもあるかもしれません。

そういう方は横になって10分程度目をつぶってみましょう。航空整備士を対象にした研究によると10分程度とごく短時間でも、パフォーマンステストの反応時間が早くなるという結果がでています。

少しでも体を横たえる時間があればぜひ、少しの時間でも仮眠をとるようにしてみましょう。
(参照:日本看護協会 夜勤中の仮眠を取りましょう

5-2 ずっと集中し続けず、気を抜けるところは抜く

16時間ずっと集中し続けるということはとても難しいことです。そのため、気を抜けるところでは気を抜くことがおすすめです。
もちろん、患者さんに接するときや点滴のチェックなど医療行為を行う時に気を抜いてはなりません。

例えば、業務がひと段落してパソコンで事務作業をしている時、患者さんのトイレ介助後にトイレの前で待っているときなど1人になれる時間、空間で少し気を抜きましょう。
少し気を抜くだけでも頭や心はすっきりするため長い夜勤を乗り越えることができるでしょう。

また、椅子に座った状態で少し目をつむったり体を伸ばしたりするだけでも肩の力が抜けて気を抜くことにもつながるでしょう。

5-3 姿勢を意識しつつ適宜ストレッチやマッサージをして体を整える

長時間の夜勤中は意識して前屈位をとらないようにしましょう。
業務が落ち着いたタイミングでは適宜ストレッチを行うことをおすすめします。

二交代制で16時間仕事をしていると日勤帯よりも少ない人数で患者さんを診るため、トイレ介助や車いすへの移乗動作など力仕事を行うことが必然的に増えます。
そうすると腰痛など身体の痛みを感じる看護師も少なくありません。

また、身体を動かさない事務作業の時間であっても意識して姿勢を整えていなければ椎間板への負担は軽減されていないという研究結果も出ています。

なお、椎間板に係る負荷は前屈位では直立位の1.5倍に増加するとされており、腰部に負担をかける姿勢と考えられていますが夜勤中は業務の内容などから自然に前屈位をとってしまい、結果として腰部に負担をかけてしまいます。(参照:滋賀医科大学 看護師の16時間夜勤の現状と今後

学生の頃に腰痛を予防するためにボディメカニクスを活用する、患者さんのベッドの高さを自分の体に合わせて高くする、などさまざまな腰痛対策を教わったかと思いますが、実際に業務の効率化や時短などを考えるとこれらの教えを守り切れずにケアにあたっている看護師は少なくないでしょう。

5-4 ストレス解消、息抜きをする

夜勤は精神的なストレスも相当たまるものです。そのため、ストレス解消や息抜きは必要不可欠です。
夜勤が終わった後に好きなことをするのがもちろん1番のストレス解消ですが、長い拘束時間の間にも息抜きはしたいものです。

例えば好きなお菓子や飲み物を持参して食べるだけでも十分な息抜きにつながります。

また、仮眠時間を削ってはしまいますが、ストレス解消・息抜きのためにすぐに実践できる例を以下に紹介します

・好きな漫画を持ってきて1巻だけ読む
・スマホゲームを少しやってから仮眠をとる
・休憩時間だから自分の時間であると考え病院内を少し散歩する

5-5 夜勤中のコミュニケーションは必要不可欠

夜勤を円滑に、残業なくやり切るためには、同じく夜勤中の同僚とコミュニケーションをとることが必要不可欠です。

例えば自分の仕事が終わっていたら相手を手伝うなど助け合って仕事をすることで夜勤業務が円滑に進み、残業やヒヤリ・ハットを起こすことなく夜勤を終了させることができます。先輩、後輩関係なくチームとしてコミュニケーションを密に取り、夜勤を円滑に進めていきましょう。

6 まとめ

長時間勤務となる二交代制の夜勤は辛いものですが、それでも頑張る看護師がいるから患者さんは安心して療養生活がおくれるというもの。

今信頼してくれている患者さんのためにも、この記事に書いた二交代制の夜勤の辛さを克服する方法を試してみてください。
この記事に書いた克服方法を実施することで、夜勤が辛いと感じることが少しでも減少すれば幸いです。