1年目の看護師が病院辞めたくなっても留まるべき5つの理由

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1年目の看護師が病院辞めたくなっても留まるべき5つの理由

配属され早数ヶ月が過ぎ、想像していた仕事と違う、思ったより激務で辛い、先輩が怖い…!といった理由で「看護師1年目だけどもう辞めたい!」と思っている方、多いのではないでしょうか。実際、1年目で辞めていく新卒看護師※1は一定数存在し、世間一般でも「石の上にも三年」という言葉は古い考えと思われがちな風潮。とはいえ、人の命に関わる看護師という職業でも果たして同じことが言えるのかは少し疑問が残ります。今回の記事では、1年目こそ退職を踏みとどまってほしい理由や辞めたいパターン別対処法など、今後の看護師ライフ・転職で後悔しないための情報をお届けします!

1 看護師1年目で退職すべきでない5つの理由

看護師1年目で辞めていく割合は新卒看護師のうち7.6%※1ほどいます。看護師1年目で辞めるというのは、よほどの理由があることが考えられますが、辞めたい!と思ってもぐっとこらえてほしい理由が5つあります。

1-1 技術・経験不足で同期より出遅れる

多くのことを吸収できる看護師1年目に退職してしまうと、1年目で本来身につけられる技術や経験を積めなくなり、同期の看護師より技術・経験面で大きく出遅れてしまいます。なぜなら、看護師の1年目は技術の吸収が早く、柔軟性を持って看護業務に励むことができ、看護師として大きく成長する時期だからです。

同期の看護師より技術・経験面で出遅れる!
1年目の看護師は、成長性、将来性といったポテンシャルを秘めています。技術や経験が無い状態だからこそ、周りから教えてもらえる機会が多く、自身の技術や知識の吸収が早い時期!

「技術や経験がないのに1年目ってそんなに大事な時期?」と思う方もいるかもしれません。しかし、技術や経験が無い状態だからこそ、周りから教えてもらえる機会が多く、自身の技術や知識の吸収が早い時期です。さらに、1年目の看護師は、成長性、将来性といったポテンシャルを秘めています。そのため、看護師1年目のこの代えがたい時期に辞めてしまうことは、看護師としての技術・経験面から出遅れてしまうと言えます。

1-2 1年目の退職はその後のキャリアに影響する

看護師1年目で退職することは次の転職時に「すぐ辞めるのではないか」という誤解を招くだけでなく、次の転職先の選択肢が狭まるといったリスクがあります。

1年目の退職は応募自体を断られるケースも…
看護師へ転職あっせんを行う人材紹介会社の中には、紹介先の病院や施設に「経験1年未満で辞めた看護師は採用していますか?」と確認することがあります。理由は、経験3年以上を求めるところが多く、1年目は入職後に教育が必要であったり、即戦力にならなかったり、忍耐力が無いと誤解を受けたりといった理由でそもそも応募条件を満たさず、応募自体を断られるケースがあるためです。

実際、看護師経験1年未満で転職をした方の中には「紹介会社から紹介される求人の選択肢は狭まるのでそこから自分に合うところを選ぶしかない」という声も聞かれます。今後、理想の条件が整った転職先を見つけ、心からここで働きたい!と思う職場に巡り会えたときに経歴が足を引っ張る…というリスクをなくす意味でも、看護師1年目の退職は控えておくのがおすすめです。

1-3 社会的信用が下がる可能性がある

在籍期間が短いと一定の収入を確保できない人物とみなされてしまうことで、社会的信用が下がってしまうことは、意外に知られていません。誰しも転職することが当たり前の時代になってきているとはいえ、在籍期間が短いことでクレジットカードを作れない、ローンを組めないといった自体も想定されます。

社会的信用という言葉にピンとこない場合は、クレジットカードの申込みを思い出してみましょう。多くのカード会社は勤務先や勤続年数、年収などを記入する欄を設けており、こうした情報で支払能力があるかどうかを審査しています。「どんな職場に何年勤めていたのか」が、時に社会に対して自分を示すステータスになり得ることを覚えておきたいところです。

1-4 辞めグセがついて転職を繰り返しがちになる

1年目の看護師が辞めるべきでない理由として重要なのが、辞めグセがついてしまうから、ということです。退職を考える理由は人それぞれですが、人間関係や働き方などに課題が見つかったときに「辞める」という選択肢しか頭に浮かんでこない場合、今後どの職場に行ってもすぐ辞める“辞めグセ”のついた看護師になってしまいます。何が原因であれ、嫌なこと、困っていることを自ら解決するスキルを養っておかないと、逃げの転職を繰り返すはめになってしまいます。

1-5 夜勤なしを求めて転職すると年収ダウンの可能性が高くなる

「夜勤」という働き方が体力的についていけないと感じる新人看護師もいます。もちろん、看護師として夜勤のない仕事もありますが、看護師として働いていくなら夜勤がない=年収ダウンの可能性が高い、ということも事前に知っておきたいところ。理由は、夜勤手当がつかなくなるため年収が下がる、という至極当然のことなのですが、夜勤が嫌で辞めた看護師の中にはこのカラクリを理解できていない看護師もいます。そのため、夜勤手当がついていたときの年収を基軸に職を探し、なかなか希望を満たす仕事を探せず転職活動が長期化、希望年収を下げられず、結果的に夜勤のある病院へ渋々戻っていく方もいます。

夜勤がない=年収ダウンの可能性が高い
夜勤手当がついていたときの年収を基軸に職を探し、なかなか希望を満たす仕事を探せず転職活動が長期化、希望年収を下げられず、結果的に夜勤のある病院へ渋々戻っていく方もいます。

退職後の転職活動は、生活費のほか交通費や履歴書の写真撮影、スーツ代など、長期化すると小さな出費がかさみます。夜勤が嫌で辞めたいと思っても、貯金を蓄える意味で今はぐっと堪えるのがおすすめ。

では、1年目でも退職を考えたほうがよいのはどんな時なのでしょうか。

2 こんな時は1年目でも退職の検討を!

退職しないほうがよい理由を見てきましたが、実はすぐにでも退職を検討したほうがよい状況もあります。

2-1 うつや不眠など健康障害の発症

うつ状態や不眠が続いているといった健康障害の恐れがあり、療養が必要となるようなストレスを抱えている場合は、休職や退職を検討してもよいでしょう。体調を崩して働けなくなってしまっては本末転倒です。まずは自分の身体を大切にしてください。

2-2 労働基準法に違反するような事態が横行している

給与や残業代の未払い、雇用契約と異なる業務内容をさせられているといった労働基準法に違反するような事態が横行している場合は退職を検討することをおすすめします。近年、医師の働き方が注目され、労務管理・労働時間短縮の取り組みが求められています。改善の兆しが見えず、法令違反が横行し、そこで長く勤めることが自分の人生に悪影響を及ぼし、自身にとってマイナスとなるような場合は、思い切って退職の決断も必要です。

3 「看護師1年目だけど辞めたい!」を断ち切る方法

看護師1年目。まだ辞めないほうがいいと分かっていても毎日辞めたい、辞める方法ばかり考えてしまう時があるかもしれません。看護師1年目によくある辞めたくなる原因別で、辞めたい思いを回避する方法をお伝えしていきます!

3-1 理想と現実のギャップ…看護師向いてなくて辞めたい時

配属後3ヶ月頃は、これまで実習で経験し、理想としていた看護業務とかけ離れた病院の実態とのギャップで思いつめてしまう時期。仕事のことは周囲の人に相談してみましょう。

3-1-1 家族、プリセプター、先輩看護師に相談する

 

 

仕事を継続する上で困難と感じたことに対して新卒看護師が最も効果的に支援してもらったと思う人(支援者)の表

赤塚あさ子(2012)「急性期病院における新卒看護師の職職場適応に関する研究ー勤務継続を困難にする要因を中心にー」, <http://janap.umin.ac.jp/mokuji/J1602/10000004.pdf> 2019.06.11アクセス

自分は看護師に向いていないかも、仕事が時間内に終わらない…といった悩みがあれば、家族やプリセプターに話してみましょう。急性期病棟の新卒看護師を対象とした調査では、新卒看護師の多くは技術に関することのほか、仕事の進め方や働き方のことをプリセプターや先輩看護師に相談することで、仕事を続ける上で効果的なサポートしてもらったと感じているといいます。一人で悩んでしまう前に、周りを頼ることで看護師を続ける前向きな気持ちになることも大切です。

3-2 やりたい看護が分からず辞めたい時

仕事の流れも把握できるようになり、できることが増えてきたと感じる一方、夜勤が始まって生活スタイルが変わることで、自分がやりたいことを見失ってしまうことがあるかもしれません。そんなときこそ、この2つを実行してみましょう。

3-2-1 尊敬する先輩看護師を見つける

「私がやりたかった看護ってなんだったっけ…」と先行きが不安になることがあるかもしれません。そんなときこそ、尊敬できる先輩看護師を見つけ、その人の仕事の仕方を意識して見るようにしましょう。なぜなら、先輩看護師と患者さんと関わっている場面を見ることは、看護師としての仕事のやりがいや看護ができる喜びを発見できるチャンスとなるからです。

先輩看護師の仕事を間近でみることが成長へのステップ
新人看護師が患者さんとのコミュニケーションで悩んでいた時に、先輩と患者さんとの話のやり取りをそばで聞いていて「自分も同じようなことを聞かれて困ったことがあったけど、今度から先輩のように話してみようかなと思えた」というエピソードがあります。自分ができないことをやってのける先輩看護師を間近に見ることが成長へのステップであり、悩みを解決する一助となります。

「周りは怖くて尊敬できる先輩なんていない…」と心で思うことがあっても、少なくとも今の職場にいる先輩看護師は、あなたより看護師経験が長く、今のあなたの状態も克服しているからこそその場にいます。先輩看護師がどんなときに患者さんから感謝され、スキルを発揮しているのかを見ることで、自分のモデルとなり、看護師という仕事の喜びを感じられるようになるはずです。

3-2-2 仕事以外のやりがいを見つける

どうしても看護師としての仕事に前向きになれないときは、仕事以外でやりがいや楽しみを見つけることもおすすめ。看護師というシフト制が主な働き方だからこそ、一般的な休みとは外れた時期に休みを取って旅行に出かけたり、平日休みに買い物を満喫したりするのもプライベートの楽しみ方のひとつ。旅行が趣味という看護師さんの中には「とにかく夜勤をいれて貯金をし、3ヶ月後くらいに連休を取りやすくなるように、シフト交代のお願いも積極的に代わってあげたりする」ような人もいるんだとか。仕事以外で自分がやりがいをもち、楽しいと思えることを見つけ、オンとオフのメリハリをつけた生活スタイルを確立させやすいのも、安定した収入を得やすい看護師ならではの働き方です。

3-3 仕事量・人間関係全部キツすぎ!疲れきって辞めたい時

仕事も慣れ、看護師として働くことへのやりがいが明確にあっても、夜勤や厳しい人間関係で心身ともにすっかり疲れ切ってしまうことがあります。そんな時こそアクションを起こす力と勇気を振り絞ってみましょう!

3-3-1 プリセプターへ働き方や業務量調整の相談をする

仕事量は増え続け、勉強会参加などで自分の時間がどんどん失われていく…そんな時は躊躇せずプリセプターに相談をしてみましょう。もともと人手不足な業界ですが、周囲から信頼・期待されているがゆえに仕事量が増えてしまっている場合もあります。相談する際は「ただ仕事やりたくないだけ」と思われないよう、自分なりの仕事の優先順位の付け方、周りから協力を得られないかどうか、といった自分がこなせる仕事量の提案を交えて話せるよう、整理をしておきましょう。

自分がこなせる仕事量を提案を交えて話せるようにする
仕事をやりたくないだけと思われないように業務量を調整するには、自分なりの仕事の優先順位の付け方、周りから協力を得られないかどうか、といった自分がこなせる仕事量の提案を交えて話せるよう、整理しておくと良いでしょう。

3-3-2 最終手段!配置転換で人間関係を一掃する

患者さんとの関わり合いにも喜びを感じ、看護師の仕事は嫌いじゃないのに人間関係のギクシャクがあって辞めたい…と思うときは、辞めずに人間関係を変える、配置転換(診療科や関連施設への異動)を打診をしてみるのも手です。プリセプターや先輩看護師との関係が芳しくなく、相談できる相手が周囲にいないといった場合は、人事部に相談できるか聞いてみてもいいでしょう。しかし、人間関係の悩みはどこに行ってもつきもの。周囲の人間関係を清算するのは手っ取り早いですが、苦手な人とも付き合う対人スキルも身に着けておきたいですね。

4 まとめ

1年目で看護師を辞めるべきでない理由と辞めないための工夫をお伝えしてきました。一般的な仕事と比べて、人の命に関わる仕事はやりがいも大きい分、責任やプレッシャーも大きいもの。しかしそうした過酷な医療現場で働き続けられるメンタリティを持てるのは何にも代えがたい経験です。辞めたいと思ったときは、同期と会ってみたり、趣味に投資してみたり、尊敬する先輩看護師を見つけ、看護師として、一人の大人として成長していきたいですね。

※1 公益財団法人 日本看護協会(2018)「2017 年 病院看護実態調査」,<https://www.nurse.or.jp/up_pdf/20180502103904_f.pdf>2019.06.11アクセス