看護師が悩む申し送り項目:抑えておくべき入院中6項目と新規入院9項目

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看護師が悩む申し送り項目:抑えておくべき入院中6項目と新規入院9項目

申し送りに必要な情報って何だろうと迷ったりしませんか?
申し送りに必要な項目は何だろう?

既にカルテに記載した内容や過ぎたことも異常があれば申し送りするし、経過も申し送りするもの。なので、申し送りに必要な項目って言われても迷ってしまうし、整理に時間がかかる。これが申し送りが苦手だなと思う1つの原因です。

そこで今回は、申し送りすべき項目を網羅的に列挙しようと思います。網羅的な項目列挙があれば、当てはまるものがあれば申し送りするし、当てはまらないものは申し送りしないという整理ができて、申し送りの負担が減るのではないか。そう考えてこの記事を作成しました。

項目は『入院中の患者さん』『新たな入院患者さん』の2つに大別し、それぞれに項目を整理すると分かりやすいため、その順番で紹介していきます。

項目を理解し項目に該当するかどうかという視点で申し送り内容を整理できるようになれば、申し送りの準備もスムーズにできるようになるでしょう。

1 【入院中の患者さん】変化があれば申し送りすべき6項目

入院中の患者さんについて申し送りで伝えるべき項目は全部で8項目です。それぞれ見ていきましょう。ポイントは、変化があれば申し送りすべきという所です。

入院中の患者さんについて申し送りすべき項目

【項目1】患者さんの一般状態
【項目2】治療、処置、臨時的な事象による状態
【項目3】看護面、看護計画の実施による変化、効果、評価等
【項目4】インフォームドコンセントの内容
【項目5】医師からの指示・変更内容
【項目6】in/outのチェック《尿量、排泄回数、飲水量、点滴残量、食事量等》

【項目1】患者さんの一般状態

患者さんの一般状態とは、血圧・体温・脈拍数・尿量・呼吸状態・栄養状態・意識状態など全身所見にあたります。

申し送る際には、この身体面や精神的な変化などに注目し、申し送る必要な事柄のみをマークしていきましょう。特に、普段と違う症状やバイタルサインの変化があれば、「いつ・どの項目が(体温、血圧、呼吸状態、症状)・どのような変化があったか」「行った処置」をセットとして経過をマークしておきましょう。

例えば、以下のように変化した内容を申し送りします。
「今日の午後、血圧コントロールの必要な患者さんが、血圧指示範囲外の高値で経過した」
「意識レベル清明の患者さんであったが、夜間〇時頃より意識レベルの低下があった」

【項目2】治療、処置、臨時的な事象による状態

患者さんの状態が変化し、処置や検査の指示が出た内容があれば確認しておきましょう。その処置や検査を行って、どういう結果が出たのかまで把握していると、申し送り時に突っ込まれても対応できます。

例えば「患者Aさん:〇時に意識レベルが低下→緊急で頭部CT検査の指示が出て実施した→新しく脳梗塞が見つかった」というように《状態変化→処置・検査→結果》と1つの事柄で把握しておきましょう。

また、継続している処置は、その内容やチェックの時間、経過などは正確に伝えます。

例えば、水分出納チェックがある患者さんの場合、時間ごとに記入していくチェックシートなどがあります。それを用いて説明できるようにカルテや書類などを準備しておくとよいでしょう。

【項目3】看護面、看護計画の実施による変化、効果、評価等

特に状態が変わりやすい急性期においては、看護計画の目標も適時修正や見直しが必要になることが多く、継続的な看護を実施していくために申し送りが必要です。患者さんの状態変化と並行して変更されたポイントを確認しておきましょう。

【項目4】インフォームドコンセントの内容

患者さんの経過によっては、適宜インフォームドコンセントが実施されるでしょう。その時には看護師も同席し、医師から患者さん、患者さん家族へ行われた説明や方針が、きちんと理解されているのか、また納得した医療を選択できているか確認し必要に応じて働きかける必要があります。

例えば、終末期の患者さんで延命治療を行うのかどうか、という話がでてくる場面があります。「延命治療ができることはすべて行ってほしい」という選択もあれば「人工呼吸器は付けないでほしい、緩和治療だけ行って欲しい」という選択もあります。

それに応じて看護の方法や、患者さんが急変した時の対応はすべての看護師が認識を統一しておく必要があるので、このインフォームドコンセントの内容を把握しておくことは重要です。

【項目5】医師からの指示・変更内容

看護師は、患者さんの看護を行って得た情報や経過を医師とも共有し、また医師からの指示に応じて看護を提供していく必要があります。この項目では、《患者さんの状態変化→医師の指示》という流れで把握しておきましょう。

例えば、「心不全の患者さん:酸素飽和度の数値が低下している(状態の悪化)→医師に確認→指示内容は酸素投与〇ℓ開始、夕食後から内服薬〇〇の容量が△㎎→□㎎へ変更になっている」といったように、時系列で医師からの指示の数値、容量は正確に把握しておきましょう。

【項目6】in/outのチェック《尿量、排泄回数、飲水量、点滴残量、食事量等》

手術後の患者さんや循環器系などで入院されている患者さんの場合など、in/outにも厳重に注意して観察していかなければならない時もあります。

このin/outの報告は、尿量が正常範囲内で経過している場合は必ずしも報告の必要はありませんが、正常値から外れた場合や患者さん状況によっては報告の必要があります。その違いを抑えておきましょう。

手術後の患者さんや点滴施行中の患者さんが点滴のin量に対して尿量が少なかった場合は、医師にも報告・指示受けの状況が出てきます。そのため、その経過を申し送る必要があります。

2 【新たな入院患者さん】申し送り必須の9項目

新たな入院患者さんが入った時は、その患者さんの基本となるデータを整理して揃えておきましょう。これから治療やケアをしていく上で、患者さんや家族、看護師側との情報の相違があれば、必要なケアが行えなかったり、治療に影響が出ることもあるため、以下の9項目は申し送り必須の項目です。

新たな入院患者さんについて申し送りすべき項目

【項目1】氏名、年齢、性別等の個人情報
【項目2】担送、護送、独歩等の移送区分
【項目3】病名、主訴
【項目4】アレルギー(有の場合)
【項目5】既往歴(何年、疾患のみ)
【項目6】現病歴
【項目7】一般状態(現在の病状のみ)、検査データ
【項目8】インフォームドコンセントの内容
【項目9】医師の指示内容(安静度、食事、特殊指示)

入院して経過が長い患者さんより、新たな入院患者さんの方が情報が点在してし、まとまっていない場合もありますが、項目ごとに整理しておけば申し送りで聞かれてもすぐに答えることができるでしょう。

【項目1】氏名、年齢、性別等の個人情報

氏名は正しく把握しておきましょう。例えば、同じ病棟や病室に同じ苗字の患者さんが入った場合などは、ケア時の患者さん間違いを防ぐために正確に確認しておく必要があります。

【項目2】担送、護送、独歩等の移送区分

患者さんの移送区分です。普段の移送区分の把握でもあり、災害時避難誘導の際の移送判断にも使用されます。

この避難誘導の基準で言えば、担送は介助者が2名以上は必要、護送は介助者が1名で避難が可能、独歩は誘導があれば1人で避難できる患者さんと判断されます。この評価である程度の病状も把握できるでしょう。

【項目3】病名、主訴

その患者さんの病名と主訴は簡潔にまとめておきましょう。

【項目4】アレルギー(有の場合)

アレルギーの有無は食事によるものと、薬によるものがあります。入院となれば、病院食の提供もあるでしょうから食事のアレルギーの確認は必要です。

また、薬に関しては、特に抗生剤などを使用する場合はアレルギーや副作用に注意して観察していく必要があるので事前に確認しておきましょう。

入院中に追加で検査が必要になり、その際に使用する前投薬や鎮静剤などにもアレルギーに引っかかる項目もあります。アレルギー有りの場合は、赤文字などで全員に周知できるようにカルテにも記載がしてあるかと思いますので確認しておきましょう。

【項目5】既往歴(何年、疾患のみ)

入院に関する病気の他に、既往歴などがあれば、「いつ、何の疾患なのか」を把握しておきましょう。例えば、「〇年(〇歳時)、大腸がん、手術歴あり」や「〇年(〇歳時)、脳出血」など、大きな病気や手術の経過のある場合はその後の後遺症の有無にもつながってきます。

【項目6】現病歴

現病歴とはどういった症状や経緯で入院になったかということです。症状が出て受診したのか、自宅で倒れて救急搬送されたのかなど、入院までの経緯を簡潔にまとめておきましょう。

【項目7】一般状態(現在の病状のみ)、検査データ

新規の入院患者さんの場合は、入院時現在の一般状態や入院時の検査データ内では異常値をざっくり把握しておきましょう。検査データの情報に関しては、現病歴にかかわる部分を抜粋して情報収集しておくとよいです。

例えば、「感染症で入院の患者さん→感染兆候にかかわる検査数値(CRPやWBCの数値など)」を中心に調べておくなどです。このようにしておくことで、今後の経過を追っていくときに病状把握の指標にもなります。

【項目8】インフォームドコンセントの内容

入院時には医師から、入院が必要な理由や今後の治療方針について説明を受けているはずです。この入院時のインフォームドコンセントの内容については、外来の看護師から受け入れを行う際に聴取しておく情報です。

そこでの情報共有は、今後の治療の基本となりますからしっかりと押さえておきましょう。

【項目9】医師の指示内容(安静度、食事、特殊指示)

入院となれば、治療方針を決定する医師から指示をもらう必要があります。指示内容は診療の補助を行う看護師には欠かせませんので、しっかり申し送りするようにしましょう。

3 まとめ

申し送りに必要な項目を様々な状況から解説してきましたが、いかがだったでしょうか。申し送りのコツは、必要な項目を把握しておき、その上で必要な項目のみ「申し送りノート」にピックアップし簡潔な文章にまとめるという流れを作ることです。(申し送りノートの書き方については【看護師必見!誰でも実践できる申し送りノートの書き方のコツ】をご参照ください。)

申し送りを通し、情報収集やまとめる力がつけば、自分が行っていく看護ケアの優先順位も必然的に分かってくることでしょう。申し送られる立場になった時にも、重点的に聞いておくべき内容が絞れるようになります。

始めは難しく感じることもありますが、情報収集とまとめる作業の積み重ねはきっと今後の看護技術の上達に繋がります。ぜひ日々行っている申し送りの内容を振り返ってみてください。