夜勤は疲れる。3分間チェックリストで今の病院で働き続けるべきかを判定!

夜勤 疲れる夜勤 疲れる

夜勤は疲れる。3分間チェックリストで今の病院で働き続けるべきかを判定!

二交代制でも三交代制でも夜勤はとても疲れるもの。交代制の勤務体制は身体的・精神的な負担が大きく、病気になるリスクも高まると言われています。(参照:HEALTH PRESS シフトワーカー(交代勤務者)は短命!? 不規則な勤務時間がもたらす健康への影響

しかし、看護師として働く上で、夜勤はなかなか避けることができません。また、夜勤の回数が多い、休憩時間が短い等の夜勤に疲弊してしまうという課題を解決するために一番動かないといけないのは誰でしょうか?

課題解決を担うのは病院です。病院という組織が主体となって動かなければなりません。確かに、病棟内のシフト調整などあるでしょう。しかし、あくまで調整レベルです。夜勤で働く看護師の環境を整備するのは、看護師自身ではありません。

筆者は訪問看護ステーションを運営する会社で3年間採用活動に従事しています。病院の過酷な勤務状況に嫌気がさして当社に転職してきた看護師も少なくありません。過酷な勤務状況に陥るのは、やはり夜勤の存在があるからです。

この記事では、病院の夜勤体制に焦点を当て、今働いている病院が疲れてしまうような夜勤体制かどうか、看護師を守る体制ができているかを判定できるよう、チェックリストを用意しました。

チェックリストをかけてみて、今働いている病院が勤務体制を整えてくれているのだという結果になれば、疲れたからといって転職を考えるのではなく、ご自身の生活スタイルの見直しなど、どうすれば続けていけるかを考えるきっかけになれば幸いです。

他方、チェックリストをかけてみて、今働いている病院は勤務体制が整っていないという結果になれば、ご自身の健康を守るためにも、転職を考え、この記事のチェックリストに挙がっている項目にたくさんチェックが入るような病院を探すことをおすすめします。

1 夜勤が疲れると感じる理由

夜勤は疲れるものですが、なぜ疲れを感じるのか。筆者は、特に疲れを感じる理由は、体力面で厳しいと感じる時、生活リズムの乱れにあると考えています。本来、体力面の厳しさや生活リズムの乱れは、仮眠やシフト調整で解決することでストレスを軽減できるものですが、病院で働く看護師の実情はそういった調整はできていないのではないでしょうか。

千葉大学が行った調査によると、看護師が「働きやすい」と判断する基準は大きく以下の3つに大別されるという結果が出ています。

①看護継続教育や看護職者個々のキャリア発達に影響を受ける基準
②病院管理・看護管理に直結する基準
③看護職者個々の価値観や生活状況に影響を受ける基準

(※出展:J-STAGE_千葉大学_看護師が知覚する「働きやすさ」を決定づける基準の解明

その中で、「病院管理・看護管理に直結する基準」の具体例を見てみると、多くの看護師が現在の働いている病院で体力面の厳しさや生活リズムの乱れを解決できていないことがわかります。

「病院管理・看護管理に直結する基準」については、病院勤務の体制が大きく影響していることから、ここではなぜ体力面の厳しさや生活リズムの乱れを解決できないのか、その病院の体制の実態を解説します。

1-1 看護師が求めるの働き方と「現実」のギャップ5つ

上述した「病院管理・看護管理に直結する基準」の具体例によると、多くの方が現在の働いている病院で求める働き方と現実にギャップを感じているのではないでしょうか。ここでは、多くの方感じているギャップを5つ紹介します。(参照:日本看護協会 看護師の夜勤・交代勤務に関するガイドライン

【1つ目:勤務時間の間隔のギャップ】

勤務時間の間隔について、看護師の求める働き方と病院の「現実」にギャップがあります。勤務時間の間隔が短いと、十分な休養が取れないからです。

2010年の調査では、77.3%が月1回以上、『日勤』⇒『深夜勤』シフトを行っており、休息時間が短いシフトを作成していました。勤務間隔が短いということは当然ながら休息の時間が少なくなるため事故を招く誘因にもなります。

【2つ目:長時間の時間外労働】

時間外労働の長さについて、看護師の求める働き方と病院の「現実」にギャップがあります。看護師の時間外労働の平均は月23時間とされていますが、全体の4.3%の看護師は過労死危険レベルである月60時間の残業をしているという結果が出ています。

【3つ目:長時間の拘束時間】

拘束時間について、看護師の求める働き方と病院の「現実」にギャップがあります。2交代制夜勤をしている看護師の87.7%が16時間以上の夜勤をせざるを得ない状況になっています。

【4つ目:多過ぎる夜勤回数】

多過ぎる夜勤回数は、看護師の求める働き方と病院の「現実」とのギャップです。

現在、看護師の夜勤回数についての公的な目安として存在するのは、1965年に出された「看護職の夜勤は8時間三交代勤務において、2名、月8回以内を基本とする」といういわゆるニッパチ判定ですが、調査結果によると、三交替の夜勤回数はいまだに8回を超えるところも多く、9回以上が43.1%、10回以上が21.6%でした。

【5つ目:休暇の取りやすさ】

休暇の取りやすさについて、看護師の求める働き方と病院の「現実」にギャップがあります。2009年の調査では有給休暇の取得率は平均46.00%と5割を下回っている結果となっています。

このように、看護師が働く現場の実態を見てみると看護師が理想とする職場とはかけ離れているものであり、日々、夜勤に疲れを感じるようになります。尚のこと、安全と健康を守る職場づくりは課題となっているということが浮き彫りとなっています。

2 看護師を守る病院の体制を判定する14のチェックリスト

上述した千葉大学の調査結果から、看護師が働きやすいと思える基準と病院の体制にミスマッチが生じている場合も多い中、今働いている病院が看護師を守る体制を整えているか、適切な交代勤務制・夜勤の体制となっているのかを判断するためのチェックリストを作成しました。

チェック項目が多ければ多いほど看護師を守る体制を整えていると言えますが、特に重要な項目は下線を引きました。この下線を引いた項目の内1つでも当てはまらないものがある場合は、より看護師を守る体制が整った転職先を探し始めても良いかと思います。

なお、チェックリストの①~⑪は日本看護協会の「看護師の夜勤・交代勤務に関するガイドライン」を参考にしたもので、⑫~⑭は筆者が看護師からヒアリングした内容から主観的に追加した項目です。

  1. ▢ 勤務間隔:二交代制の場合、勤務と勤務の間隔は11時間以上あける体制となっている。
  2. ▢ 勤務の拘束時間:勤務の拘束時間は13時間以内とする体制となっている。
  3. ▢ 夜勤回数:夜勤回数は、三交代制勤務は月8回以内を基本とし、二交代制については月4回以内が基本となっている。
  4. ▢ 夜勤の連続回数:夜勤の連続回数は、2連続(2回)までとなっている。
  5. ▢ 連続勤務日数:連続勤務日数は5日以内となっている。
  6. ▢ 休憩時間:休憩時間は、夜勤の途中で1時間以上、日勤時も1時間確保されている。
  7. ▢ 夜勤時の仮眠:夜勤の途中で2時間の連続した仮眠時間が設定されている。
  8. ▢ 夜勤後の休息(休日を含む):夜勤後の休息について、2回連続夜勤後にはおおむね48時間以上の休息が確保されている。1回の夜勤後についてもおおむね24時間以上の休息が確保されている。
  9. ▢ 週末の連続休日:少なくとも1カ月に1回は公休日の前後に夜勤のない休日がある。
  10. ▢ 三交代制の方向は正循環の交代周期となっている。
  11. ▢ 早出の始業時刻:夜勤・交代制勤務者の早出の始業時刻は7時より後である。
  12. ▢ ライフステージに応じた多様な働き方を尊重する体制となっている。
  13. ▢ 所定休日は緊急時を除き休むことができおり、休日出勤はほとんどない。
  14. ▢ 有給休暇を年に8日以上取得できている。

2-1 適切な夜勤・交代勤務制か否かを判断するための11基準

上記14項目の内、上から11項目までは日本看護協会が公表している「看護師の夜勤・交代勤務に関するガイドライン」に出てくる、看護師が夜勤・交代制勤務による健康・安全・生活への影響を少なくするという観点から提案された、夜勤・交代制勤務の「勤務編成の基準」を参考にしています。(参照:日本看護協会 看護師の夜勤・交代勤務に関するガイドライン

当社で働く看護師にⅰ~ⅺの基準を見てもらい、自身で働いていた病院はどうだったか聞いてみると、以下のような意見がありました。
・二交代制であったが、夜勤中の仮眠時間が2時間未満であったため辛かった。
・急変があれば対応しなければならず、必然的に日勤でも13時間以上拘束された。
・長期休暇のシーズンや、ほかの職員の産休などにより職員の数が減ってしまうので、チェック項目を上回るペースで勤務をしなければならなかった。
・新人が入職する時期なども必然的に基準を上回るペースで勤務をしなければならなかった。
・患者さんの情報収集などのため、7時より早く出勤せざるを得ない状況だった。

実際に、ⅰ~ⅺの項目を満たしている病院の割合は公表されていませんが、上記のような意見からしても、実質的にすべて当てはまる病院は少ないものと考えられます。

2-2 下線の項目にチェックが付かない場合は要注意!

上述の下線を引いた特に重要な項目は、日本看護協会が行った夜勤・交代制勤務ガイドラインの普及等実態調査に基づく、二交代制の病院の90%以上で実施されているものです。それだけ多くの病院で実施されているものが、ご自身の働く病院では実施されていないのだとしたら、転職を考えても良いのではないでしょうか。(参照:日本看護協会 夜勤・交代制勤務ガイドラインの普及等実態調査

詳細を紹介すると、二交代制においては実施割合が 90%以上と高い項目は以下の通りです。

・勤務と勤務の間隔は11時間以上あける
・1回の夜勤後にはおおむね24時間以上の休息を確保する
・休憩時間は夜勤の途中で1時間以上を確保する

なお、その他ほとんどの項目についても60%を超えている一方で実施割合が19.6%と低い項目は以下の通りです
・勤務の拘束時間は13時間以内とする

参考までに、三交代制において実施割合が80%以上と高い項目は以下の通りです。
・勤務の拘束時間は13時間以内とする
・夜勤の連続回数は2連続(2 回)までとする
・夜勤・交代制勤務者の早出の始業時刻は7時より前を避けるでした

他方、実施割合が低い項目は以下の通りでした。
・勤務と勤務の間隔は11時間以上あける
・交代の方向は正循環の交代周期とする
・2回連続夜勤後にはおおむね48時間以上の休息を確保する
・夜勤の途中で連続した仮眠時間を設定する

なお、二交代制の方が基準を守れている項目が多いため、現在三交代制に従事している看護師は二交代制という働き方を検討してみてもよいかもしれません。

現在二交代制で働いている看護師は自分がどの基準を重視しているかについて考え、それを守っている職場を選ぶのが転職時のポイントとなるのではないでしょうか。

2-3 多様性が尊重されているか

看護師は多様性のある職業です。その多様性が尊重されているかどうかも働くうえで重要なポイントです。

看護師という職業は女性が多く、独身、既婚者、妊娠中、子育て中、子育てをひと段落したなどいろいろなライフステージの方がいます。年齢層も幅広いことも特徴です。それに加えて認定看護師や専門看護師など資格取得によるキャリアアップも目指せる職業です。

この多様性が尊重されて働ける職場であるのかも今一度目を向けておきたいポイントとなるでしょう。自身のライフスタイル、資格が尊重されて働くことができるのか、転職の際には今一度考えておきたいポイントです。

2-4 所定休日は緊急時を除き休むことができているかの確認

所定休日とは、雇用契約で決められた休日のことです。

看護師が働く病院の多くはが4週8休を採用していると思いますので、そちらを例にとると、週に2日のお休みが所定休日になります。この所定休日に休日出勤となってしまうことが多い場合(例えば、毎週所定休日2日の内、1日は出勤しているとか)、今は身体に負担がないとしても長期的に考えると働き方の見直しを考えるべきです。

また、看護師の所定休日は4週8休以外もあります。4週7休といい週6日勤務(1日は半日勤)をして、休日は1日。平日7時間45分(休憩を除く実働時間)× 5日+半日勤務日3時間45分や、4週6休といい4週7休の半日休みを2週分まとめて隔週1日休みとする方法です。どの所定休日が自分に合っているのかも検討するとよいでしょう。(※参照:日本看護協会 はたらくナースの相談窓口 休日休暇(有給休暇)

2-5 有給休暇を年に8日以上取得できているか

日本看護協会が行った「2017年 看護職員実態調査 結果報告」によると、有給休暇の取得日数平均は8.5日、有給取得率は48.3%となっています。

これを見て、自身の有給取得率はいかがでしょうか。有給取得率は現在、転職サイトなどを見ても多くのサイトで明記されている項目でもあります。自分の取得率や転職したい病院があればその病院の取得率に加えて上記の平均取得率も加味していくのもよいのではないでしょうか。(※参照:日本看護協会 2017年 看護職員実態調査 結果報告

なお、時系列で並べた有給休暇の取得日数平均及び取得率並びに年齢別取得率は以下の通りです。※出典:日本看護協会 2017年 看護職員実態調査 結果報告

3 まとめ

交代制の勤務体制は身体的・精神的な負担が大きいといわれていますが、看護師として働く上で、夜勤はなかなか避けることができません。少しでも負担を軽くするには、より自分にあった勤務体制を選ぶことが重要です。

交代勤務および人の命を預かる仕事という性質のため、すべてのチェック項目を満たした職場を見つけることはかなり難しいかもしれませんが、病院が看護師を守る体制を整備しているかどうかをチェックリストで確認し、今後の看護師としてのキャリアを考えるうえで参考にしていただければ幸いです。